他社サービスを研究しながら
ANA独自の路線を模索
05年5月には15年ぶりに客室乗務員や地上係員の制服をリニューアル。 |
「国際線のビジネスクラスは当時、横に7~8席あるのが普通でしたが、ANAは“2─2─2”の横6席のシート導入に挑戦したこともあります。お客さまの評判はよかったですよ。ただし、そうすると1機あたりの座席数は減り、売上に影響が出てきてしまう。それも試行錯誤の一つでした。どの部分は他社にキャッチアップし、どの部分は業界に先駆けて新しいものを取り入れ、差別化をはかっていくか。さまざまなチャレンジと研究を繰り返しながら選別・色づけを進め、ANAならではのサービスを追求しました」
国際線就航5周年を迎えた1991年3月、ANAは747‐400の導入や東京/ニューヨーク線開設などを機に、従来の「Jクラス(スーパーエグゼクティブクラス)」を「Cクラス」に変えて呼称を「CLUB ANA」に変更。サービスも一新しました。トリトンブルーの色調をあしらった三つ葉のクローバーを新しいシンボルマークとして採用したのもこの時期です。その後、2002年には“2─1─2”の横5列の座席配列が特徴のアジア路線のCクラス「CLUB ANA Asia」が登場。主に中国線に投入される767‐300ERに導入したこの画期的サービスは当時、「他社ではとうていマネできないもの」と業界内でも話題になりました。
着々と路線網を拡大したANAの国際線ネットワーク戦略。 |
1994年9月には関西国際空港が開港し、その後も1996年6月のファーストクラスへのフルフラットシート導入、同8月の国際線用777へのマルチメディアサービスの導入など、ANAの「攻め」の経営は続きます。そして1999年10月、ANAは国際線就航20年の歴史の中で最も大きな転機を迎えることになるのです。
この続きは次回、改めて詳しく報告しましょう。
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