第1位 / ルフトハンザ ドイツ航空
これぞ究極! Fクラス専用ターミナルでの
“異次元”かつ“最上級”のおもてなし
ファーストクラスの利用者が実際にどれくらいの料金を支払っているか、みなさんはご存知ですか? 答えは──エコノミー席のざっと10倍から15倍。では、もう一つ質問です。それだけ高い料金を出して、はたして満足のゆくサービスを受けられているのかどうか?
2つ目の質問の答えは、うーん、難しいところですね。私がこれまでFクラスの利用者たちに聞いた中では、たとえば「機内ではシートもゆったりしているし、食事も豪華で、CAの対応もいい。ただ、飛行機の乗るまでの時間がねぇ……」と嘆く声が少なくありません。空港に到着してチェックインし、長い列に並んでセキュリティチェックを受け、ラウンジで一休みしたあとは出発便の搭乗ゲートでまた少し待たされて──。つまり「飛行機に乗るまでの煩わしさが、一般客とほどんど変わらないではないか」というのが彼らの言い分なのです。
利用者たちのそうした声に真剣に耳を傾け、早くから独自の取り組みを進めてきたのがルフトハンザです。上空のみならず“地上”でもファーストクラスにふさわしい最上級のサービスを! そんな目標を掲げ、ハブ拠点であるフランクフルト空港に2004年12月に開設したのが「ファーストクラス専用ターミナル&ラウンジ」でした。
ここでは、空港に到着した瞬間から、従来の常識では考えられないような究極のもてなしがスタートします。まず、入口で出迎えてくれるのは専任のコンシェルジュ。車で来た人なら帰国時まで駐車場で預かり、ワックスがけまでしてくれます。トランクの荷物もお任せで、身ひとつでターミナルビルへ。この真新しいビルは丸ごとFクラスだけのためのもので、セキュリティチェックや出国審査もすべてビル内で完了できます。
あとは出発までの時間を、専用ラウンジで思いのままに過ごせばいい。広いラウンジ内には、電話やインターネット、各種文具類を揃えたビジネス用の個室が用意され、無線LANも完備。ロングフライトの前後に心身をリフレッシュしたい人のために、バスタブ付きのシャワールームを備えた個室もあります。また、レストランもFクラスだけのためにオープン。食べたい料理をオーダーすれば、一流のシェフが季節の食材を使い、目の前で腕をふるってくれます。
ラウンジ内には、搭乗案内などの放送がいっさい流れていないのも特徴です。そこは空港特有の喧騒とはかけ離れた、まさに静寂とくつろぎの世界。搭乗便などの情報については担当のコンシェルジュがすべて把握し、時間になれば「そろそろご出発ですので、ご用意を」と声をかけに来てくれます。そして搭乗機へは、メルセデスSクラスまたはポルシェ・カイエンで飛行機のすぐ下まで送迎してくれるので、搭乗ゲートに向かって空港内を延々と歩く必要もありません。
2006年に入ってからは、もう一つのハブ拠点であるミュンヘン空港でも「ファーストクラス・ターミナル」のサービスがスタートしました。こうしたサービスを提供できるのは、世界広しといえども、おそらくルフトハンザだけでしょう。なぜか?
利用者が空港に到着してから、目的地へ飛び、到着地の空港を出るまでが“空の旅”である──ルフトハンザがそんなコンセプトのもとで「地上でも空の上と変わらないサービス」をめざしてきたのは、前述した通りです。しかしそれを実現するには、従来の空港のスタイルでは難しい。そう判断したルフトハンザがとった施策が、空港会社への資本の投下でした。空港運営にも関わるエアラインは他にもありますが、空港にこれだけ大規模な投資をしているケースはルフトハンザ以外に見られません。ルフトハンザは空港の運営に大きな影響力を持つことで、理想とする空港づくりを進め、そうしてついに“究極”ともいえる「ファーストクラス専用ターミナル」のサービスを実現したのです。
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