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「コクピット・アート」への招待(4ページ目)

高度1万フィート。まさにコクピットでしか出会えない雄大な風景が、キャンバスで幻想的な世界に生まれ変わります。絵筆をとるのはJALの現役フライトエンジニア、上田哲也さん。その素顔と作品を紹介します。

執筆者:秋本 俊二

「コンコルド」作品集


2003年5月にエールフランスが、そして同年10月にはブリティッシュ・エアウェイズが最後の営業飛行を終え、後継機の登場を待たずして姿を消した“怪鳥”コンコルド。ドループ・ノーズを12.5度まで下げてのファイナル・アプローチ、アフターバーナーを輝かせて夜空に駆け上がる姿などが、いまもくっきりと脳裏に焼き付いています。「コクピット・アート展」の最後は、27年間にわたり世界で唯一の超音速旅客機として人々を魅了し続けてきたその雄姿をお楽しみください。



【Concorde/Final Over Paris】 コンコルドが最も数多く飛んでいたい場所──それはパリ。芸術の街で華々しいデビューフライトを披露したコンコルドは、まさにアートでもありました。このブラック&ホワイト作品に、その魅力は凝縮されているようです。


【Concorde/Goodbye Paris】 夢を乗せて飛び続けた27年。ついに翼を休めるときがきました。月夜のパリを飛ぶ2機のコンコルドが、その哀愁を漂わせています。そして航空史上に残る名機の帰りを静かに待ち受けるように、かなたにはシャルル・ド・ゴール空港が浮かび上がります。


【Concorde/Manhattan Approach】 夕暮れの空に、1羽の“怪鳥”が飛来しました。二十数年の間、超音速の響きをニューヨークの空に轟かせ続けてきたコンコルド。「まだまだ飛べるのに……」。最後の雄姿をケネデイ空港に見せにきてくれたとき、人々は頭上を見上げながらそう呟きました。


【Concorde/Moonlight NYC Take off】 マンハッタンの幻想的なイルミネーション。ライトに照らされ、揺らいでい見えるのは濡れた滑走路。アフターバーナーの炎がマンハッタンの光に溶け合います。そしてニューヨークに別れを告げる機体に呼びかける人々──「いつかまたその雄姿を見せてくれ」と。


【Concorde/Sunset London】 すでに日が沈みかけたロンドン。テムズ川に反射する光のオブジェを見ながらのラストフライト。超音速機としての使命を終えようとしているコンコルドを、たそがれの空がやさしく待ち受けます。さあ、舞い降りよう! 多くの人々が出迎えるヒースロー空港へ。


【Concorde/Eternal Concorde】 製造された21機のコンコルドが、空想の中で宇宙をフライトしています。細長く伸びた機体と鋭い三角翼は、幻想的な宇宙空間にもピッタリとマッチ。現実の世界ではすでに翼を下ろしていても、人々の心の中ではいまもきっと超音速機飛行を続けています。


  ≫≫≫ 次のページは「Web作品展を終えて──“描く”ことと“飛ぶ”こと」
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