機体の前方と後方では、どっちが快適?


昨年秋に創刊された日経BP社の新しい女性誌『REAL SIMPLE』から最近、「飛行機の良い席とはどこか? 良い席を確保する方法は?」といったテーマで取材を受けました。席の好みは人それぞれ──と言ってしまえばそれまでですが、どの便でも必ず早めに埋まってしまう席と、ぎりぎりにチェックインしても空いている席とがあるのも事実。この「世界のエアライン」サイトを訪ねてくださる方々からもときどき同様な質問が寄せられるので、改めて「飛行機のシート」について考察してみました。

機内風景1
飛行機はエンジンの後方の席よりも前の席のほうが一般に静粛性が高い
まずは、この年末年始休暇を家族4人でオーストラリアで過ごしたという会社員Nさん(39歳)の意見から。「成田でチェックインするときに後ろのほうが比較的空いていると聞いたので、最後方に近い席を選びました。これがじつは大失敗でしたね。フライト中、ずっと音がうるさくて。子供たちはへっちゃらなようでしたが、女房と二人、わかってたら耳栓を用意してきたのにねと話しました」

私もまったく同感です。飛行機は主翼に装備されているエンジンの後方の席に比べ、前方エリアのほうが確実に静粛性が高い。そのぶん、ゆっくりくつろげる気がします。エコノミークラスでもビジネスクラスでも、たとえばAゾーン(コクピットに近いエリア)とBゾーンがあれば、私はエンジンから離れるぶんだけ静かなAゾーンをすすめています。

また、All About「エアチケット」サイトの旧ガイド・星野幸詩さんは『疲れ知らず! の飛行機搭乗10か条』という記事の中で次のように書いています。「飛行機はかならず進行方向左前のドアから乗り降りします。そのため、仮にエコノミークラスに乗る場合でもできるだけ左前方の席の通路側を予約しておけば、乗り降りの時間と労力が節約できます。ただしロングフライトで比較的空いているフライトのときは、後方中央部がもっとも空席ができる率が高く、一人で複数のシートを占拠できる確率も高まります」。なるほど、これも参考にしたい意見ですね。

窓側と通路側、それぞれの利点は?


さて、座席をリクエストする場合にもう一つ問題になるのが、「窓側」か「通路側」かという選択です。これは個人の好みの問題で一概には言えませんが、過去に多くの旅行者たちにインタビューした印象では、飛行機に乗り慣れた人ほど「通路側」を選ぶケースが多いようです。「選ぶなら通路側」と回答した人は、全体でも7割近くに及ぶのではないでしょうか。

その最も多い理由は、「席を立つ際に隣の人に迷惑をかけずに済むから」ということ。たしかに、いちいちトイレに行くのに隣で寝ている人を「すみません」と起こすのは気兼ねが要ります。エコノミー席の場合は、例の“エコノミークラス症候群”防止のためにもときどき機内を歩いたほうがいい。その意味でもスッと席を立てる「通路側」に軍配が上がるかも知れません。

B777
コンチネンタル航空B777のBFクラスは“2-2-2”の座席配置(写真提供=コンチネンタル航空)
この点については、エアライン関係者にも聞いてみたことがあります。「とくに女性のお客さまには通路側の席がいいでしょうね」とアドバイスするのは、コンチネンタル航空アジア太平洋地区広報・日本地区マーケティング本部長の永田浩二さんです。「窓側はプライベート感があっていいのですが、窓があるぶん通路側よりも多少寒く感じるのではないか」と。ちなみにコンチネンタル航空では、最新鋭機ボーイング777の「ビジネスファースト・クラス」を「2-2-2」という座席配置で提供しています。そこでの一番のおすすめを聞いたところ、「真ん中の2席のうちのどちらかですね」と答えてくれた永田さん。2席並びなので真ん中席はいずれも「通路側」になり、しかも窓から遠いことで寒さも感じない──というのがその理由です。納得、ですね。

  ≫≫≫後半のテーマは「良い席をどうやって確保するか?