《News 2》
エコノミークラスを“進化”させた
ANAの「ゆったり、らくらく」新シート
「最初はちょっと固めかなと思ったけど、長い時間座っているとその“違い”が伝わってきますね。疲れないし、5センチ広がったというひざ回りスペースも快適でした」
実際に体験した人たちがそう評価するのは、全日空(ANA)が05年10月から国内線エコノミークラスへの導入を開始した新シート。“ゆったり、らくらく”をコンセプトに開発されたこの新シートには、人間工学に基づいた疲れにくい構造や拡張された居住空間以外にも、いくつかの特徴があります。たとえば、シートのカバーに「光触媒」を加工することで抗菌・消臭作用を持たせたのも世界初。またシートの構造部材に従来のアルミ合金に替わる新しい炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用したことで、これまでは難しかった優美な曲線を活かしたスリムでスタイリッシュなデザインを実現しました。
国内線のエコノミークラスを“進化”させた、ANAの「ゆったり、らくらく」新シート。今後は国際線への導入も検討していくそうです。 |
CFRPの活用は地球環境への配慮にもつながっています。CFRPは航空機の機体構造部位にも使用される軽くて丈夫な素材で、安全性や強度はそのままにシートの軽量化に成功。その結果、ボーイング777-200型機で「1機あたり年間でドラム缶約200本分」(ANA関係者)の消費燃料を減らし、CO2排出量軽減にも寄与します。
ANAがエコノミークラスに導入を進めるこの新シートは先ごろ、財団法人日本産業デザイン振興会主催の2005年度「グッドデザイン賞」を受賞。同賞の受賞は、エコノミークラスでは初となる快挙です。今後は国際線エコノミークラスへの同シート導入も検討していくと発表されました。乗客へのサービス向上の一環としてシートの快適性を競い始めたエアライン業界。私たち利用する側としては、ますます進化する各社のサービスに、大いに期待したいですね。
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