航空券/航空会社・エアライントピックス

スイス航空 & サウスウエスト航空

国や地域によって航空会社の“顔”もいろいろです。欧米やアジアなど各地の空で活躍する世界の個性派たち。これから数回に分けて、現在人気上昇中の、あるいは過去に名を馳せたこだわりのエアラインを紹介します。

執筆者:秋本 俊二

旅行や出張などで飛行機を利用する際、どんなふうにエアラインを選んでいるか? 先日まで当サイトの〈 あなたの一票〉で、その選択の基準についてみなさんに意見をうかがいました。以前なら間違いなく「チケットの値段が最優先」という人が多かったと思うのですが、近年はどのエアラインもプライスダウンを進めています。そんな中で、エアライン選択基準がどう変化しているのか──とても興味のあるところでした。

結果は、ほぼ2人に1人(全体の47%)が「安全面などでの実績」と答えています。事故のない、安全なエアラインというのが第一条件なのですね。そこで真っ先に思い起こすエアラインが、かつてのスイス航空です。

「10分以上遅れて離陸したことがない」──スイス航空というと、まずそんなフレーズを思い浮かべます。これといって目立ったエンターテインメントもないのに、利用客から抜群の支持と信頼を得てきたエアラインです。その背景には、そうした頑固なまでの正確さにあったのかも知れませんね。

発注した飛行機の製造工場に社員を派遣し、ボルトの締まり具合やビスの打ち方まで一つひとつ点検する。そういった取り組みを、スイス航空は一貫して続けてきたといわれています。機体のメンテナンスももちろん自社で実施。「自分たちが飛ばす飛行機の安全性は自分たちで守る」。ある意味ではこれは当たり前の考え方かもしれません。航空整備士やコクピットクルーの教育に関しても定評があり、他社からの教育依頼もあったとか。きっと他のエアラインからも一目を置かれる存在だったのでしょう。

そのスイス航空が経営破綻した、というニュースを聞いたときは、本当にショックでした。2001年10月のことです。業績が低迷しつつあったことに加え、米国の「9.11同時テロ」が追い打ちをかけ、70年の歴史についにピリオドを打ちました。

しかしその後、スイス航空は新生スイス(スイスインターナショナルエアラインズ)として甦りました。従来以上の効率経営を余儀なくされてのスタートですが、かつてのスイス航空が長年守り続けてきた「安全性」に対する頑固なまでの取り組みは、ぜひ引き継いで欲しいものですね。
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