ニュースを聞くたびに「まさか!」と思うのが、空からの“落下物”事件です。そして事故が起きたことを知ったあとは、言葉では言い表せない恐怖に身が凍ります。地上で無防備な生活をおくる私たちを、上空から得体の知れない物体がいきなり襲うのですから。落ちてくるのは、部品であったり、機体の一部であったり、ときには人であったり……。この半年間に実際にあった事件の一部と、その“犯人”を紹介します。(記事中に使用しているカット写真は実際の事件とは関係ありません)
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■F4訓練機が模擬弾カバーを紛失(2002.10.2)
「あれ? カバーがない!」。航空自衛隊・岐阜基地を訓練飛行のため飛び立ったF4戦闘機は、石川県上空を通過して日本海上を飛び、約50分後に基地に帰還。着陸後に隊員が機体を点検したところ、模擬弾の先端を覆うカバーがなくなっていることに気づいた。飛行ルートにあたる岐阜、石川の両県30市町村などに同隊はただちに電話やファクスで連絡したが、その後、被害情報は入らず関係者はホッと一息。
■福岡で陸自UH1ヘリがケーブルを落下(2002.10.11)
佐賀県・目達原飛行場を離陸した陸上自衛隊西部方面ヘリコプター隊のUH1ヘリが、福岡県筑後市付近を飛行中に積んでいたアースケーブルを落とした。ケーブルは重さ約1キロ。その後の発表では、落下によるケガ人などの被害届は出ていないもよう。
■米軍輸送機が沖縄で水タンク3個を落下(2002.10.25)
沖縄県伊江村で、道路を歩いていた主婦が突然「ドスン!」という大きな物音を聞いた。伊江村役場が照会したところ、米軍が輸送機からプラスチック製水タンク3個を落としたと発表。ケガ人はなかった。タンクは演習地に落下させる予定だったが、風に流され、パラシュートが開かず牧草地に落ちたらしい。
■東京─千葉間で陸自ヘリがランプカバーを落とす(2002.11.6)
千葉から東京へ向かっていた陸上自衛隊の観測用ヘリOH6から、テールランプのカバーが地上に落下した(同隊東部方面総監部が発表)。落としたのは直径・長さが6センチの円筒状カバーで、重さは約100グラム。落下地点は不明で、その後もカバーは見つからなかった。