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「イラクの自由作戦」のシナリオ

日本時間の20日午前にも始まるとみられる対イラク攻撃を、米軍は「イラクの自由作戦」と命名しました。これまでの新聞・テレビなどの報道から“開戦後”を緊急シミュレートとしてみると──。

執筆者:秋本 俊二

3月17日午後8時のテレビ演説で、アメリカのブッシュ大統領はイラクのフセイン大統領と息子たちに48時間以内の国外退去を求めました。その期限は日本時間で20日午前10時。米国防総省筋は、攻撃準備はすべて完了したと伝えています。

攻撃開始後、最初の空爆の主役となると予想されるのがB2ステルス爆撃機です。先週末までにすでに複数のB2ステルス爆撃機が出撃拠点となるインド洋・英領ディエゴガルシア島基地に配備されました。レーダー波を反射しないステルス形状により“見えない戦闘機”と呼ばれるB2ステルス爆撃機は、日没から未明にかけての夜間空爆に主として投入されてきました(参照=記事・コラム/これが「B2ステルス爆撃機」だ! )。

最初の空爆では同時に、強力な電磁波を放射してコンピュータなどをいっさい無力化する電子爆弾の投下も考えられます。それによって地対空ミサイルシステムや通信網を破壊し、イラク軍部の指揮系統を麻痺させるのが狙いです。
 
また今月11日には米フロリダ州で、通常兵器としては世界最強の破壊力をもつといわれる新型爆弾MOABの投下実験に成功したと国防総省が発表しました。精密誘導システムにより上空から目標地点に正確に投下されるMOABは、重量約2万1,000ポンド(約10トン)。軍関係者の間では「すべての爆弾の母」(Mother of all bomb)のニックネームで呼ばれ、その破壊力だけでなく、イラク軍を脅えさせる心理的効果も狙って実戦で投下される可能性が高いと一部では報じられています。
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