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セスナの話(2ページ目)

先日、家族で久々に遊覧飛行を楽しんできました。乗ったのはセスナ172型スカイホークです。ところで、セスナ社が軽飛行機よりビジネスジェットを主力にするメーカーであることはご存知ですか?

執筆者:秋本 俊二

では、セスナの代名詞でもあった軽飛行機から現在の主力商品であるビジネスジェットへの移行は、いつ頃から始まったのでしょうか。

ビジネスジェットの開発構想が浮上したのは、古く、1960年代の後半です。セスナの軽飛行機は当時、単発・双発をあわせて世界中で10万機以上が飛び、軽飛行機市場では圧倒的なシェアを獲得。そしてその多くがビジネス機として利用されていました。

しかし飛行能力で見ると、ほとんどが航続距離1,000キロ以下の機種で、乗客も3人程度しか乗れない。その頃、アメリカでは経済成長が続き、企業経営者たちは出張などの行動範囲が急拡大しつつありました。そうした時代の流れに着目して開発をスタートさせたのが、従来のターボプロップとジェットの中間をいくビジネスジェットだったのです。

操縦が容易で、双発機ライセンスを有するパイロットなら誰でも乗りこなせる機種──開発に際してはそんなコンセプトが貫かれました。“安全・操縦が簡単・経済的”というこれまでの軽飛行機生産の基本理念を、そのままビジネスジェットにも当てはめた形です。そうして誕生したサイテーション・シリーズは1971年9月に初飛行に成功。以来、今日までビジネスジェットのベストセラー機として市場を拡大してきました。

従来の小型ジェットに比べて騒音が小さいためそれまでジェット機の乗り入れが認められなかった飛行場でも発着ができること、短い滑走路でも離着陸が可能なこと──それらがサイテーションの特徴です。また他のビジネスジェットと比較して燃料効率が高く、当時の石油危機対策に最適な機種であったことも販売数を伸ばした大きな理由でしょう。
 サイテーションはその後も改良が加えられ、次々と新しいモデルが誕生。1998年10月にラスベガスで開かれた米国ビジネス航空協会(NBAA)の催しでも、セスナ社は新たに4機種の開発計画を発表し、注目を集めました。

◆あなたも小型ジェット機の名付け親に!

ところで、新しくラインナップに加わったひとつ──サイテーション・アンコールを朝日新聞社が報道取材用に導入し、その愛称を一般に公募していることはご存知ですか?

朝日新聞社はこれまで「千早」「はやて」という2機の取材用小型ジェット機を有してきました。今回導入されるサイテーション・アンコールは北九州配備の「千早」の更新機で、最大11人乗り、時速約800キロの速度で飛び、航続距離も東南アジアあたりまで延びます。

「名付け親」から抽選で10組20人を体験搭乗に招待するほか、200人に記念品が当たるそうです。応募は、ハガキに愛称1件と住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記して、7月28日までに 〒119-0174 東京・京橋郵便局留め、朝日新聞航空部「愛称係」 へ。愛称と当選者は8月中旬の朝日新聞紙面で発表になるそうです。

みなさんも、セスナ社製小型ジェット機の「名付け親」にチャレンジされてみてはいかがですか?
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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