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JSF──最強最後の有人戦闘機(2ページ目)

アメリカ国防省は2001年10月、空軍、海軍、海兵隊の戦闘能力を併せ持つJSF──統合攻撃戦闘機を、ロッキード・マーチン社に発注しました。最強最後の有人戦闘機といわれるJSFの全貌とは?

執筆者:秋本 俊二

アフガニスタンへの激しい空爆が続いています。

インド洋に展開する空母艦隊からF-14トムキャットやF/A-18といった戦闘機を出撃させ、レーザー誘導ミサイルで敵陣を攻撃。隣国パキスタンの陸上基地からはF-15、F-117、B-1、B-52Hなども発進しています。アフガンの制空権はほぼ抑えたと米国防省は発表しました。

しかし一方で、誤爆のニュースも相次いでいます。赤十字の援助物資を貯えた倉庫が2度にわたって被弾し、食糧などが大量に失われたほか、民家への誤爆で多数の住民が犠牲になっているらしい。投下されるミサイルや爆弾がすべて精密誘導されているとは限らないこと、また空母や陸上の発進基地から攻撃目標までの距離が遠く、各戦闘機とも本来の攻撃距離をはるかに超えていることなどが原因として考えられます。パイロットたちにとってもかなりの激務であることは間違いありません。

では、仮にこの戦闘にJSFを投入できたとすれば、どうだったか? 軍事問題に詳しい評論家の小川弘志氏は言います。「朝飯前とまでは言わないが、パイロットは意外とラクに任務を遂行できたでしょうね」

第一に、JSFは航続距離が長く、近隣諸国の基地に配備する必要がない。軍事面だけでなく、政治的な問題がこれで一つクリアできます。また超音速で飛行し、敵に発見されないステルス技術が駆使されているので、敵地上空へも難なく進入できる。その上、狭い戦場ではヘリコプターのように垂直に離着陸。レーダーやセンサーでキャッチした情報をパイロットは大型カラーディスプレイで確認し、誤爆を防ぐことも可能です。 「アメリカは現在、無人戦闘機の開発に着手している。今後は間違いなく無人機での戦闘が主流になるでしょう」と小川氏は指摘します。だとすれば、JSFは、まさに21世紀最強最後の有人戦闘機と言えるのかも知れません。
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