大卒で入社すると、JALでは東京と米国ナパで行われる約4年間の基礎訓練課程を通じて、事業用操縦士技能証明、航空級無線通信士などの資格を取得。その後、副操縦士として乗務をスタートします。一方のANAでは、約1年半の基礎訓練、その後約1年間の副操縦士昇格訓練を行い、社内の副操縦士資格を取得します。
JALがパイロット訓練生の採用を再開してから15年が経過し、その間、約600名のパイロットを世界の空に送り出してきました。1988年から自社養成パイロット制度を再開したANAでも、これまで約400人のエアラインパイロットが巣立っています。
エアライン各社の最新の採用情報については、アークEFI航空情報センターのサイト内にある 「航空関連の採用情報ページ などで詳しく知ることができます。
航空大コースと自社養成コース──いずれの道を選ぶにしろ、エアラインパイロットとして入社後は、さらに厳しい訓練の日々が待ち受けていることもつけ加えておきましょう。パイロットのライセンス自体は永久的に通用しますが、機長や副操縦士は1年ごとに定期路線審査を受けなければなりません。試験官が同乗して実際の路線を飛び、技能や知識が審査されます。
試験のほか、半年ごとの身体検査もあります。肝機能を示すGTPに不安のある人は、検査の数カ月前から好物のビールを控え、肥満の傾向のある人はプロボクサー並みに汗を流し、食事を控えて減量に努めます。万が一基準値をオーバーすれば、フライトは即刻停止。基準値に戻るまで操縦桿を握ることはできません。地上の仕事をしながら、復活の日を指折り数え、空を見上げて「飛びたい、飛びたい」と呟きながら過ごすことになります。
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。