昨年来からの世界的な金融危機による不景気で海外、国内共に旅行者が減少する中、旅行予約サイトはどのようなサービスでユーザーを獲得しているのでしょう?今回は多様化する旅行予約サイトのサービス、そして今後の行方について見ていきます。
雑誌創刊、オンラインプリントサービス、次々と新たなサービスを展開するフォートラベル
角川メディアハウスとフォートラベルが共同で発売したトラベルコミュニティマガジン「4travel(フォートラベル)」 |
また同日、この雑誌を含め、旅に関する書籍、ガイドブックなどを販売するフォートラベル会員限定のオンラインショッピングサービス「フォートラベル ブックス」をオープンしています。
他にも昨年10月9日にはオンラインプリントサービス「Snapfish」と提携し、「フォートラベル・プリントサービス from Snapfish」を開始するなど旅行の口コミサービスとしてスタートしたフォートラベルですが、現在はユーザーのニーズに合わせ様々なサービスを展開しています。
SNSのシステムで、口コミ情報を元に訪れたユーザーを各旅行予約サイトへ誘導するフォートラベルは、直接、旅行を販売するわけではないため、書籍や写真のプリントサービスなど旅行に付随するものを販売することで、ユーザーの新規獲得とともに売上の増大を目指しています。一方、当の旅行予約サービスはどうでしょう?
モバイル、既存サービスの充実を進める楽天トラベル
今、旅行予約サービスの中で積極的にさまざまな展開をしているのが、昨年12月に発刊された旅行サイト比較調査において、国内出張、旅行の2部門で総合1位となっているネット専業旅行予約サービスの楽天トラベルです。旅行者が軒並み減少している今、楽天トラベルの年末年始の予約状況は国内旅行が前シーズン比42.5%増、海外旅行が同53.1%増と過去最高を記録しています。
しかし楽天トラベルはフォートラベルのように次々と目新しいサービスを開始している訳ではありません。目立ったものといえば、昨年11月11日にブランジスタと提携し、同社が運営する女性向けの国内旅行ウェブマガジン「旅色~tabiiro~」を楽天トラベルで閲覧できるようになったこと。
楽天トラベル上で閲覧が可能になったウェブマガジン「旅色~tabiiro~」 |
そしてもう1つは今月15日にiPhone用アプリケーションとしてGPS対応の宿泊予約サービスを無料で提供を開始したという2点ぐらいでしょう。
それほど大きな変革もない楽天トラベルが、何故過去最高を記録するほどの人気を得ているのか?それは、昨年11月20日にゴメス・コンサルティング株式会社が発表したモバイル宿泊予約サイトランキングにおいて総合2位となったように、モバイルサービスの充実、そしてブランジスタとの提携によって、20代~40代の女性ユーザーの獲得など、決して派手ではないものの、着実に既存のサービスを底上げし、ユーザーの信頼を得てきた結果だといえます。
<次のページでは、旅行に関連したサービスの増加、そして今後のネットでの旅行サービスについて見ていきます。> |