マイボイスコムとJストリームが今年3月に調査した結果によりますと、ポッドキャストの認知率は20%、利用率は8%となっています。昨年11月に行った同様の調査では認知率が16%、利用率は3%だったということですので、認知率、利用率ともに少しずつ増えてきているいるようです。そして昨年秋の第5世代iPodの登場によってビデオキャストも始まり、今後ますます多彩なサービスが期待されます。今回は特にポッドキャストを利用した企業のサービス、そしてポッドキャストでの広告の在り方について考えていきます。
そもそもポッドキャストとは?
アップルの携帯デジタルプレーヤ「iPod」と放送を意味する英語「broadcasting」を足して作られた造語であるこのポッドキャスト。それ以前にあったネットラジオと比べ、RSSを利用して配信しているため、一度登録してしまえば更新情報の確認がいらず、ストリーミング放送ではなくダウンロードして聞けるという点です。これによってPCだけではなく、iPodなどの携帯デジタルプレーヤや携帯電話で、いつでもどこでも好きな時に楽しめるようになったというのが大きな特徴です。PCで。携帯デジタルプレーヤで。ポッドキャストを楽しむ人が増えています
様々な情報を発信するポッドキャスト。今後の普及のポイントは?
東京大学では先週12日より、ノーベル物理学賞を受賞した小柴特別栄誉教授などの講義映像のビデオキャストを開始しました。また昨年12月にはiPod向け専門テレビ局「PodTV.jp」がオープンし、ニュース、天気などの情報番組、オリジナルドラマなどいくつかの番組を積極的に配信しています。他にもほぼ毎日、沖縄の海岸の様子を配信しているものや、ネイルアートの簡単なやり方を紹介、首相会見をノーカットで配信したりと、テレビでは見ることのできない様々な映像をビデオキャストで配信し人気を博しています。また音声のみのポッドキャストでもニュース、外国語講座、落語、観光情報、朗読、ラジオ番組のポッドキャスト版など多彩です。さて、番組が増えてくると問題になるのが、その中から自分の好みにあった番組を探す、つまり検索ですが、マイボイスコムとJストリームの調査結果の中でも、ポッドキャストに対するユーザーの不満で「自分の欲しているテーマや内容が探しにくい」という意見があるようです。確かにAsk.jpのブログ検索や米Yahoo!のYahoo! Podcastsなどキーワードで検索できるサービスもありますが、通常の検索と比べ精度的にはまだまだという感じですし、多くのユーザーが利用しているiTunesやPodcast Juiceなどは現時点でカテゴリ検索が中心となっています。この辺が自分の探している番組を見つけにくいという一番の原因となっているとすれば、これが改善され、自分の好みの番組を簡単に探せるようになるとともに以前の記事で書いた様にIE7がリリースされRSSが普及すれば、ポッドキャスト利用率8%という数字は今後、大幅に増えていくでしょう。
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