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携帯版SNS「Gocco」の今後の展開とは?(2ページ目)

イー・コマースにおいて、携帯が伸びてきています。キーワードの1つとしてアフィリエイトがあります。「Gocco」を運営するインデックスさんに今後の展開をお伺いします。

水上 浩一

執筆者:水上 浩一

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携帯メディアの特性とは?

ガイド:
携帯とPCではメディアとしての特性が大分違うのですね。

網本:
そうです。ただ携帯自身のスペックはどんどんあがっていて、動画など、どんどんリッチにはなっていってますが、まだちょっとお客さんというか一般ユーザーのリテラシーがまだそこまで追いついてない、スピードに乗ってないと思うんですよ。

ガイド:
そうなんです。実際に公衆の面前で番組見て、泣いたり笑ったり出来るのかと。そうなってくると、家に帰って見ようとなるけど、家に帰ってまで携帯で見たりしないですものね。

網本:
やはり携帯を使うのは隙間時間なので、お昼休みや通勤・通学時間、それから夜寝る前というところに山がポンポンとある感じなんですね。なので私はコンテンツ作るときに大体5分くらいで遊べる(終わる)ようなものを作ります。だから、家庭用ゲーム機でヒットした超大作RPGなんかをそのままゲームメーカさんがケータイで、みたいなコンセプトはちょっと工夫しないと厳しいと思うんですね。

キャリアの垣根がなくなった後に大事なことは

ガイド:
確かに隙間時間にちょっと利用したいという場合にそんなに複雑なものは必要ないですね。

網本:
そうだと思います。当然かもしれませんがこの業界の人は最新の技術が好きな人が多いんです。こんな機能が出来たからこれを使ってという。どうも私はそこまでついていけないので、逆に少し引いた面で考えています。私がコンテンツを作るときは実際に買い物に行きたい人が気軽に集まってくるような場所を作りたいというところがベースになってます。例えば普通の女の子でも気軽に集まってもらえるものって何かなと考えた時に、やはりそこまでの複雑だったり高機能だったりは必要ないと思うんですよ。もちろん裏方の部分で最新技術を使ってUIを快適にしていくことはウエルカムなのですがお客さんのアクションを増やすことは基本的に好きじゃないです。

ガイド:
なるほど。あとは目的にたどりつくまでのアクションが多いほど離れていってしまいますよね。ただ最近ではカメラで撮っただけで(QRコードの読み込みが)できるようになったりとハードも進歩してるんだなとは思いますけど。

網本:
そうですね。進歩はしていますが、少し概念的には難しいものも入ってきていますので、ユーザーさん向けのサービスに落とし込むときにはどういう見せ方をしていくか、我々も工夫・検討を重ねていかなければなりません。携帯ユーザーが今、重要視しているのはハードの進化はもちろんですがそれ以上に番号ポータビリティーだと思います。いまだとauのを持ってるとかドコモのを持ってるとかいう話を友達同士ですることがあるかと思いますが、今後はそこの垣根が無くなっていった時に今度は何が起きるかというと、多分メーカーになってくると個人的には思います。例えば私は富士通だよとか、シャープだよとか。

ガイド:
今後3キャリア増えるわけで、そうなってくるとキャリアっていうよりはメーカーとか機種ごとということになるということですね。さて、そうなっていった場合、インデックスさんとしてはユーザーにどのようなサービスの提供を考えていますか?

網本:
番号ポータビリティーによって今後はキャリアよりもメーカーごとの特色が今まで以上に出てくると思います。我々はそこに特化したサービスを作っていくということを考えたときに、例えばコンテンツっていうところに限っていうと、携帯を持っているユーザーさんは9000万台超えて母数としてはあるのですが、お客さんのニーズをしっかりくみ取ってお金を取れてるところとなるとまだまだ全然少なくて。逆にいうとまだまだニーズをくみ取れていない市場があるということなので、そこに向けて何を出していくかということを今模索中です。

もう1つが携帯SNSですが、これも私自身、Goccoをやったりしても、まだ難しいと思ってるんです、一般のユーザーさんにとって携帯で名刺とか言われても、何だろうという感じだと思いますので、そこをもう少し入りやすくしていかないといけないと思います。

携帯市場はまだまだこれから

ガイド:
私はECコンサルをやっていて、その中でも今は携帯かなということはひしひしと感じてます。

網本:
そうですね。本当にまだまだ市場的にはかなり余地はあって、ここ2、3年ですごく変わってくると思います。

ガイド:
もちろん動画とか、あと楽天さんがNTTドコモさんと提携しておこなっているネットオークションなどもあるのでしょうけど、先程おっしゃられたのは携帯は携帯なんだと。携帯独自のものだと。だから何か他のモデルを持ってきてもうまくいかないと。メール1つとってもPCのものと携帯のそれとは少し違う気がしますし。

網本:
それは一つあるかもしれないです。ただ私はこの7年くらいこの業界にいるんですけど、その内3年か4年くらいがコマースなんですね。やっていくと段々と、根本は一緒だなと。要はお客さんの欲しいもの、または欲しくなるものを売ればいいのだなというところで、そこが全然ずれてしまっている隙間ありきのものとか、技術ありきのものとかは絶対失敗すると思います。

ガイド:
まったくその通りですね。大変貴重な御意見ありがとうございました。

携帯SNSの今後の展開に期待

先日、携帯電話の出荷台数が9000万台を超えたというニュースがありました。そしてもうすぐはじまるワンセグ放送、番号ポータビリティーなど携帯電話は今後、更に進化していきます。

インデックスさんが提供している携帯SNS「Gocco」の飛躍的なユーザー数の伸びは、PCのそれとは違い「緩やか」なつながりをキーワードとして、「常に」誰かとつながっていたい(1対1ではなく1対Nで)というユーザーの心理を見事にうまくつかんだ結果なのだと、お話を伺っていて感じました。

そして一番、興味深かったのはPCと携帯というそれぞれのメディアの特性の違いでした。特に携帯はPCよりも情報量が少ないが故に、受け手側により密接につながっていくことができ、それによってコマースなどでも売り手側の意図したものを売りやすくなるというお話です。

今後、携帯電話が今以上に進化していった際にそれと同じ効果を維持できるのか?しかしインデックスさんは前回のインタビューでもそうでしたが、「ユーザーのほしいものをつくるだけ」、そして今回、綱元さんのおっしゃっていた「要はお客さんの欲しいものを売ればいい」と軸にブレがありません。勿論、そこが一番難しいのですが、今後、インデックスさんがどのようなサービスでそれを現実のものにしていくのか?そして私たちをどう楽しませてくれるのかを待ちたいと思います。
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