肝心の速度は
測定サイトにもよるが、コンスタントに1Mbpsから2Mbps程度の速度が出た。実際の試用感として、Webサイトをいくつか見た限りでは、データのロード時間も短く、多少遅いADSL的な感覚で使える。
今回は時間の関係で実際には確認していないが、YouTubeなども問題なく使えるという。
もちろん、FTTH等に比べれば遅いが、PHSの100~200bps程度に比べ、10倍程度の速度が出るため、本格的にいつでもどこでもインターネットを使える新サービスになるのは確実だろう。
高速移動中や、実際にサービスが始まった場合の速度も気になるが、このあたりはインフラ整備状況にも影響してくる。
課題は接続エリアと
通信速度自体は現時点で満足できるものだし、特定のネットサービスをフィルタリングすることも、今のところ予定にないということなので、サービス内容自体は納得できる。料金プランもシンプルで、最大でも月5,980円と他社のサービス内容と比べてもリーズナブルになっている。
問題はサービスエリアだ。開始時点で23区内とその周辺、および大阪、名古屋というのは、お世辞にも広いとは言えない。2007年6月末までの拡大予定エリアは東京近郊に限ればそこそこ広がるため、東京近郊で活動する方には良いサービスかもしれない。しかし、全国レベルでみると、使えるサービスとは言いづらい。
音声サービス開始時にはドコモとローミングし、音声サービスの使用可能エリアが全国に広がるが、データ通信サービスは、ローミングとは関係なく、イーアクセスのインフラ内でしか使えない。ドコモのローミングは2010年までなので、それまでに接続エリアがどこまで広がっているか楽しみだ。
これ以外にも、データ通信カードに入れたSIMカードを他の通信カードに入れるとどうなるのか。
HSDPAの通信モジュールが組み込まれたノートパソコンなどでこのサービスは使えるようになるのか、他国とのローミングなど、気になる点も多い。
課題は多いが、サービスエリアは無線LANに比べ拡大しやすいこともあり、使える通信サービスとして今後の展開に期待したい。
新しい携帯電話会社「イーモバイル」が登場
EMモバイルブロードバンド
「EM・ONE」開発者インタビュー(前編)
「EM・ONE」開発者インタビュー(後編)
[上倉 賢]