資産運用

地方債と個人向け国債、100万円を5年間運用すると利息はいくら違う?

地方自治体が発行する地方債と、国が発行する個人向け国債。どちらも利息を受け取れる債券ですが、金利や途中売却の条件は異なります。埼玉県の5年債と個人向け国債「固定5年」を例に、100万円を運用した場合の利息とリスクを比較します。※サムネイル画像:PIXTA

田代 昌之

田代 昌之

資産運用・ビットコイン ガイド

1979年生まれ、中央大学文学部卒業。新光証券(現みずほ証券)やシティバンク、投資助言会社などでアナリスト業務やコンプライアンス業務を経験したのち、暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事。2024年よりフリー。

プロフィール詳細執筆記事一覧

地方債は自治体が発行する債券

地方債は、都道府県や市町村などの地方自治体が資金を調達するために発行する債券です。道路や公共施設の整備など、さまざまな事業の財源に充てられます。

地方債は自治体が発行する債券(画像:PIXTA)
地方債は自治体が発行する債券(画像:PIXTA)

一方、個人向け国債は国が発行し、個人投資家を対象に販売する商品です。

今回は、2026年5月に発行された埼玉県の5年債と、2026年10月募集の個人向け国債「固定5年」を比較します。

埼玉県債の利率は年2.053%、個人向け国債は年2.39%です。なお、募集時期が異なるため、金利差には市場金利の変化も影響しています。

100万円の5年間の利息差は約1万7000円

100万円をそれぞれの利率で5年間運用した場合、税引前の利息は埼玉県債が10万2650円、個人向け国債が11万9500円となります。

差額は1万6850円です。税率20.315%を考慮すると、税引後の差は概算で約1万3400円となります。

埼玉県の5年債と個人向け国債「固定5年」の比較表。年利率はそれぞれ2.053%と2.39%。額面100万円を満期まで5年間保有した場合の税引前利息は、埼玉県債が10万2650円、個人向け国債が11万9500円で、差額は1万6850円。発行体は埼玉県と日本国で異なり、満期前の換金は埼玉県債が市場価格での売却、個人向け国債は発行1年経過後に所定の調整額を差し引いて換金する仕組み。比較対象は2026年5月発行の埼玉県債と2026年10月募集の個人向け国債で、募集時期は異なる
※図版は筆者が作成

地方債は途中売却で元本割れすることも

両者の大きな違いは、満期前に現金化する場合の仕組みです。

地方債は、保有期間中に市場金利が上昇すると債券価格が下落する傾向があります。そのため、満期前に売却すると購入価格を下回る可能性があります。市場の状況によっては、希望する価格ですぐに売却できないこともあります。

一方、個人向け国債は発行から1年経過すれば、所定の調整額を差し引いて中途換金できます。市場価格で売却する仕組みではないため、地方債とは価格変動リスクの性質が異なります。

利率だけでなく発行体と購入条件も確認

地方債の元本と利息は発行した自治体が支払います。国が発行する個人向け国債とは、返済の主体が異なります。

また、地方債は発行時期や販売金融機関が限られることがあります。過去に発行された債券を購入する場合は、市場価格と残存期間を踏まえた利回りの確認が必要です。

今回の比較では個人向け国債の利息が上回りましたが、地方債の利率も発行時期によって変わります。

債券を選ぶ際は、表面利率だけでなく、購入価格、満期までの期間、途中売却時の条件を合わせて比較することが重要です。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。
投資や資産運用に関する最終的なご判断はご自身の責任において行ってください。
掲載情報の正確性・完全性については十分に配慮しておりますが、その内容を保証するものではなく、これに基づく損失・損害などについて当社は一切の責任を負いません。
最新の情報や詳細については、必ず各金融機関やサービス提供者の公式情報をご確認ください。
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで資産運用の書籍をチェック!楽天市場で資産運用関連の書籍をチェック!
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2026/10/31まで)を実施中です!

※抽選で20名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます