
家事や育児は夫婦で協力しあってこなしていくもの。今の時代、夫婦どちらかが一人で担うのは、心身ともに厳しすぎる。だが、いつまでたっても夫は「自分はサブ」という意識が抜けないこともある。
細かく指定しないと買い物もできない夫
「夫は自分の方が帰宅が遅いときは、駅前で電話をくれることが多いんです。何か買っていくものある? と。それはありがたいんですが、『じゃあ、ヨーグルトと朝食用のパンを買ってきて』と言ったら、どこのメーカーのものなのか、食パンなのかロールパンなのかといろいろ聞いてくる。特にこだわりはないので、あなたがいいと思ったものでいいよと言ったら、なんと買ってこなかったんです。分からなかったと。これには腹が立ちましたね」
アキコさん(46歳)はそう言って仏頂面になった。子どもだってそれくらいのおつかいはできるだろうし、何でもいいと言っているのだから何か買ってきてくれればよかったのに。そう言うと、今度は夫が仏頂面になった。
「だってきみは、自分が思ったものを買ってこなかったら今度はオレを非難するじゃないかと文句を言い始めて。頭に血が上りそうだったので、娘を連れてコンビニに行きました。でも、『本当に役に立たない』と捨てゼリフを残してしまった。帰ってきたら夫は部屋にこもっていました。その日は夕飯もとりませんでしたね」
サラダを作ってと頼んだら
ふだんの家事も、夫には細かく指示しないときちんとやってくれないという。例えば、アキコさんが夫より少し帰宅が遅くなるとき、「サラダを作っておいて」とメッセージをすると、「サラダは何を入れるの?」と返信が返ってくる。
「あなただっていつもサラダは食べているでしょ。何が入っているか分からないのと言ったことがあるんです。さて……と夫は困惑顔。分からなかったらスマホで調べてというと、『うちのサラダというものがあるだろ』と逆ギレ状態。じゃあ、いつも食べているサラダを思い出してと書いたら、『もういい』って。帰宅したらサラダはできていませんでした」
家事が嫌だからそうやって抵抗しているのかとも思ったが、そうではないらしい。夫の言い分では、自分が勝手にやるとアキコさんが怒ることが多いというのだが、アキコさん自身は夫がやってくれればありがたいと思っていると語る。互いに、何か誤解があるのかもしれない。
「夫は家事については自分に権限がないと思ってるんですよね。それは言い換えると、責任をもたない、言われたことだけやっていたいということ。何かあってもそれなら私に責任を押しつけることができるから。サラダなんか何でもいいのに、どうしてそんなふうに感じているのか不思議で仕方ないです」
家事や子育てについては、夫の自主性をもっと促したいとアキコさんは言った。
冷蔵庫の中の秩序を乱す夫
ふだん忙しいため、食器棚や引き出し、冷蔵庫などの中は機能的に整理してあるというユカリさん(44歳)。目的のものを探す時間をロスだと考えているからだ。
「ところが夫が家事をすると、食器棚はもちろん、引き出しの中に整理してあるハサミやトングの位置などがめちゃくちゃ。冷蔵庫もそうで、バターやチーズはこの棚、作り置きの総菜はここと決めてあるのに、その通りにしまってくれないんですよ」
そのため、結局、ユカリさんが整理し直すはめになる。それは全然、効率的ではないと彼女は夫に説明した。すると夫はふふんと鼻で笑って、「そんなのたいしたことじゃないでしょ。どうしてそういうことでイライラするかなあ。不思議でしょうがない」と言ったそうだ。
どこかがズレたら全てがズレていく
「もう、カチンときちゃって。生活って些細なことの積み重ねなんですよね。どこかがズレたら全てがズレていく。そういうことがどうして分からないかなと言ったら、『だったらいちいち言って』って。それは私の負担が増えるということなのに、まったく分かってない。何のために家事分担をしているのか……」
一方の男性たちからは、「あとで文句を言うくらいなら、細かく指示してほしい」という声もある。自分と同じようなレベルで家事ができるとは思わず、言った方がいいのは確かだが、「何度言っても、次もまた同じように尋ねてくる。学習してくれないのがつらい」と訴える妻たちも少なくない。
多くの人たちにとって、家事は「やりたくてやるというよりは必要だからやる」というものだ。だからこそ、手間も時間もかけずに効率よく片づけたい。その位置付けが、夫と妻とでは違うのかもしれない。そのあたりは根気強く話し合っていくしかないのかもしれない。







