資産運用

日銀の追加利上げで住宅ローンはどうなる?借りている人・これから借りる人が知っておきたいこと

日銀の追加利上げで気になるのが住宅ローンです。特に変動金利で借りている人は、毎月の返済額がどこまで増えるのか不安に感じるでしょう。今回は、固定・変動金利の違いから借り換え、繰り上げ返済まで、金利上昇時代の住宅ローンについて解説します。※サムネイル画像:PIXTA

田代 昌之

田代 昌之

資産運用・ビットコイン ガイド

1979年生まれ、中央大学文学部卒業。新光証券(現みずほ証券)やシティバンク、投資助言会社などでアナリスト業務やコンプライアンス業務を経験したのち、暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事。2026年よりIRコンサルティングを手掛けるU's企画に参画。

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日銀の追加利上げで住宅ローンはどうなる?(画像:PIXTA)
日銀の追加利上げで住宅ローンはどうなる?(画像:PIXTA)

日本銀行(日銀)が利上げを進めるなか、住宅ローンを利用している人にとって金利上昇は無視できない問題になっています。

特に影響を受けやすいのが変動金利型の住宅ローンです。一方、固定金利で借りている人や、これから住宅を購入する人では考え方が異なります。「金利が上がるから急いで固定金利に変更する」と決めるのではなく、自分がどのような条件で借りているのかを確認することから始めましょう。

変動金利は利上げの影響を受けやすい

変動金利型の住宅ローンは、市場金利の動向に応じて適用金利が見直されます。日銀の利上げが続けば、銀行が住宅ローン金利を引き上げ、支払う利息が増える可能性があります。

ただし、金利が上がったからといって、翌月から毎月の返済額が一気に増えるとは限りません。

変動金利・元利均等返済では、金利が上昇しても返済額を5年間変えない「5年ルール」や、返済額を見直す際も従来の125%までとする「125%ルール」を設けている金融機関があります。例えば毎月10万円を返済している場合、125%ルールが適用されれば、見直し後の返済額は最大12万5000円となります。

注意したいのは、返済額が変わらなくても金利上昇の影響がなくなるわけではないことです。返済額に占める利息の割合が増え、その分だけ元金の減りが遅くなります。5年ルールや125%ルールは負担増を先送りする仕組みであり、利息そのものを減らす制度ではありません。

また、こうしたルールを採用していない金融機関や住宅ローンもあります。まず自分の契約内容を確認しておきましょう。

変動金利は利上げの影響を受けやすい。画像は編集部作成
変動金利は利上げの影響を受けやすい。画像は編集部作成

固定金利なら返済額はすぐには変わらない

全期間固定金利型で借りている場合、日銀が利上げしても、基本的には借入時に決めた金利が返済終了まで続きます。

そのため、すでに低い固定金利で借りている人にとっては、金利上昇がすぐに住宅ローン返済額へ影響するわけではありません。

一方、「当初10年間固定」などの固定金利期間選択型では、固定期間終了後の金利に注意が必要です。金利が上昇していれば、固定期間終了後に以前より高い金利が適用され、返済額が増える可能性があります。

これから借りるなら固定と変動、どちらがいい?

これから住宅ローンを組む人にとって悩ましいのが、固定金利と変動金利のどちらを選ぶかです。

変動金利は一般に借入時の金利が固定金利より低く設定される一方、将来の金利上昇によって返済負担が増える可能性があります。固定金利は借入時の金利が比較的高くても、将来の返済額を見通しやすいのがメリットです。

「どちらが得か」だけではなく、金利が上がって毎月の返済額が増えても家計に余裕があるのか、教育費など今後大きな支出を予定しているのか、といった点から考えることが大切です。

借り換えは金利だけで判断しない

変動金利で借りている人の中には、「今のうちに固定金利へ借り換えよう」と考える人もいるでしょう。

ただし、借り換えには事務手数料や登記費用などがかかります。また、すでに固定金利が上昇していれば、借り換えによって必ず負担が軽くなるとは限りません。

現在の住宅ローン残高、残りの返済期間、借り換え後の金利、諸費用を含めて、総返済額がどう変わるのかを確認してから判断しましょう。

繰り上げ返済は「手元資金」とのバランスを考える

金利上昇への対策として、余裕資金を使って住宅ローンを繰り上げ返済する方法もあります。元金を減らせば、その後に支払う利息を減らす効果が期待できます。

ただし、預貯金の大部分を繰り上げ返済に使ってしまうのは注意が必要です。病気や失業、教育費など急な支出が発生したときに、手元資金が不足する可能性があるからです。

住宅ローン控除を利用している人も確認が必要です。繰り上げ返済によって返済期間が短くなり、一定の要件を満たさなくなると、その後は住宅ローン控除を受けられなくなる場合があります。

繰り上げ返済は「借金を早くなくせるから得」と単純に考えず、住宅ローン金利や控除、手元に残す預貯金を比べて判断したいところです。

利上げだけを見て慌てて動かない

金利が上昇すると、住宅ローンの負担が気になるのは当然です。しかし、固定金利へ変更する、借り換える、繰り上げ返済するといった判断を急ぐ必要はありません。

まず確認したいのは、現在の適用金利、金利タイプ、ローン残高、残りの返済期間、毎月の返済額です。そのうえで、さらに金利が上昇した場合でも家計に余裕があるのかを考えてみましょう。

住宅ローンは数十年にわたって付き合うこともある大きな借金です。金利の動きを追うだけではなく、収入や貯蓄、今後の支出まで含めたライフプランを考えることが、金利上昇時代の住宅ローンとの上手な付き合い方といえるでしょう。

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