個人向け国債の金利も2%前後に
日本銀行(日銀)は、9月18日の金融政策決定会合で利上げを行い、政策金利を1%から1.25%へ引き上げました。

預金金利だけでなく、国債の金利も高い水準になっています。財務省が2026年9月に募集している個人向け国債は、「変動10年」の初回金利が年1.95%、「固定5年」が年2.24%、「固定3年」が年1.96%です。
「これからも金利が上がるなら、変動10年がよさそう」と思う人もいるでしょう。ただ、現在の金利だけを見ると、変動10年より固定5年の方が高くなっています。
「変動10年」は半年ごとに金利が変わる
変動10年の特徴は、半年ごとに適用金利が見直されることです。金利は10年国債の入札結果をもとにした「基準金利×0.66」で決まり、最低でも年0.05%が保証されています。
2026年9月募集分では基準金利が年2.96%で、これに0.66を掛けた年1.95%が初回金利となりました。
ここで注意したいのが、基準金利の上昇がそのまま変動10年の金利上昇になるわけではないことです。
例えば、基準金利が0.25%上昇しても、変動10年の適用金利の上昇幅は0.25%×0.66=0.165%です。現在の固定5年の年2.24%と同じ水準になるには、基準金利が現在の2.96%から3.4%程度まで上昇する必要があります。
金利上昇の恩恵を受けられる商品ではありますが、上昇分も0.66倍になる点は知っておきたいところです。
今は「固定5年」の方が高い
2026年9月募集分では、変動10年の初回金利が年1.95%なのに対し、固定5年は年2.24%です。100万円を固定5年で満期まで保有すれば、5年間で受け取る利子は税引前11万2000円です。
一方、変動10年の金利が5年間ずっと年1.95%だったとすると、同じ5年間の利子は9万7500円。その差は1万4500円になります。
変動10年が固定5年に追いつくには、その後の金利上昇によって、この差を取り戻さなければなりません。
例えば、初回の年1.95%が1年間続いたとすると、その後4年間の平均金利が年2.31%程度を超えると、5年間の受取利子は固定5年を上回る計算になります。
「今後、金利が上がりそう」というだけで、必ず変動10年の方が有利になるわけではないのです。
「10年」という名前でも10年間動かせないわけではない
変動10年という名前を見ると、「10年間お金を動かせないのでは?」と思うかもしれません。
個人向け国債は、発行から1年経過すれば原則として中途換金できます。額面1万円単位(額面100円につき100円)で換金できますが、「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」が差し引かれます。
簡単にいえば、中途換金すると直近1年分の税引後利子に相当する金額が差し引かれる仕組みです。
そのため、発行から1年たった直後に換金すると、受け取った利子は実質的にほぼ残りません。2年後なら、おおむね最初の1年分の利子が残るイメージです。最初から1年程度で使う予定のお金には向きません。
金利上昇中だから「全部を変動10年」にする必要はない
変動10年と固定5年のどちらが結果的に有利になるかは、これからの金利次第です。現在の年2.24%を5年間確保したいなら固定5年、今後の金利上昇を取り込みたいなら変動10年という考え方ができます。
固定3年は年1.96%と固定5年より低いため、例えば3年後に使う予定があるなど、期間を短くしたい場合の選択肢になります。
また、どれか1つに決める必要もありません。
例えば、100万円なら、50万円を固定5年、50万円を変動10年に分ける方法があります。個人向け国債は毎月発行されるため、50万円を今月、残り50万円を別の月に購入する方法もあります。
金利上昇中だから変動10年、と単純に決めるのではなく、「現在の金利を固定したいお金」と「今後の金利上昇を取り込みたいお金」に分けて考えると分かりやすいでしょう。
※個人向け国債の金利は財務省が公表している2026年9月募集分を参照。変動10年は第198回債・初回年1.95%、固定5年は第186回債・年2.24%、固定3年は第196回債・年1.96%です。募集期間は2026年9月3~30日、発行日は10月15日です。







