資産運用

政策金利1.25%に! 定期預金は今すぐ預けるべき? それとも金利上昇を待つ?

日銀の利上げで、定期預金の金利も上がっています。ただ、「今預けたら、その後もっと金利が上がるのでは?」と迷う人もいるでしょう。金利上昇中の定期預金は、どのように考えればいいのでしょうか。※サムネイル画像:PIXTA

田代 昌之

田代 昌之

資産運用・ビットコイン ガイド

1979年生まれ、中央大学文学部卒業。新光証券(現みずほ証券)やシティバンク、投資助言会社などでアナリスト業務やコンプライアンス業務を経験したのち、暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事。2024年よりフリー。

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5年、10年の定期預金は1%台に

2026年9月18日、日本銀行(日銀)は政策金利を1%から1.25%へ引き上げました。

私自身、20年超、長く金融市場を見てきましたが、日本では定期預金の金利を見て「今預けるべきか、半年待つべきか」と悩む必要がほとんどない時代が続いてきました。

5年、10年の定期預金は1%台に(画像:PIXTA)
5年、10年の定期預金は1%台に(画像:PIXTA)

しかし、昨年あたりから、この考えを変えるタイミングがきています。

例えば、2026年9月11日時点の三菱UFJ銀行のスーパー定期を見ると、1年ものは年0.5%、3年は年0.8%、5年は年1%、10年は年1.25%です。期間を長くするほど、高い金利を確保できます。

一方で、日銀が今後も利上げすれば、半年後や1年後には定期預金の金利がさらに上がっている可能性もあります。「高くなった今の金利を確保するか」「もう少し待つか」。これまでの日本ではあまり考えなかった問題です。

100万円なら、0.5%の違いで5年間に2万5000円の差

具体的な数字で考えてみましょう。

100万円を年1%の5年定期に預けた場合、単純計算した税引前の利息は年間1万円、5年間で5万円です。

ところが、半年後に5年定期の金利が年1.5%まで上がったとします。同じ100万円なら税引前の利息は年間1万5000円、5年間で7万5000円です。差は2万5000円になります。500万円なら12万5000円、1000万円なら25万円の差です。

もちろん、半年後に年1.5%になるというのは試算上の仮定であり、実際にそこまで上がるとは限りません。

反対に金利が低下すれば、年1%の時点で5年間固定しておいた方が有利になります。定期預金では「高い金利の商品を探す」だけでなく、いつその金利を固定するかも考える時代になったわけです。

「金利が上がるまで待つ」にもコストがある

それなら、「日銀が利上げをやめるまで定期預金には入れず、待てばいい」と考える人もいるでしょう。

ただ、待っている間にも利息の差は生まれます。例えば、100万円を年1%の5年定期に入れず、年0.5%の普通預金に半年置いたとします。半年間の普通預金の利息は単純計算で税引前約2500円です。

一方、年1%で運用していれば半年分は約5000円です。その差の約2500円は、「金利がもっと上がるまで待つ」ためのコストとも考えられます。

半年後に5年定期が年1.5%になれば、待ったことで高い金利を利用できます。しかし、1.5%まで上がる保証はありません。1.1%かもしれませんし、1%のままかもしれません。

金利が上がり切るタイミングを正確に当てるのは、金融のプロでも非常に難しいお話です。

500万円なら「100万円ずつ」に分ける方法も

そこで、「全部預ける」「全部待つ」の2択にしない方法があります。例えば、定期預金に回せるお金が500万円あるとします。

500万円全てを5年定期にするのではなく、100万円を5年、100万円を3年、100万円を1年に預け、残り200万円は普通預金に置いておく、といった方法です。

こうして満期をずらしておけば、1年後に金利が上がっていた場合、満期になった100万円を新しい金利で預け直せます。

一方、金利が下がっていたとしても、3年、5年の定期預金では以前の金利を確保しています。

金利の先行きを見極めるのは非常に難しいことですので、「一番高いところで預けよう」と考えるより、時期と期間を分けた方が現実的でしょう。

長期定期にするなら「途中で使わないお金」で

もう1つ注意したいのが、中途解約です。定期預金は満期まで預けることを前提に金利が設定されています。途中で解約すると、通常は当初の定期預金金利ではなく、金融機関が定める期限前解約利率が適用されます。

例えば、5年後に使う予定のお金なら5年定期を検討できますが、来年使う可能性のあるお金まで5年定期に入れる必要はありません。

生活費や急な出費に備えるお金は普通預金、しばらく使わないお金は定期預金、と分けておく方が使いやすいでしょう。

政策金利が1.25%まで上昇したことで、大手銀行の定期預金にも年1%台の金利が見られるようになりました。ただし、現在が金利のピークとは限りません。

だからこそ、「今全て預ける」「もっと上がるまで全部待つ」と決めてしまうのではなく、預ける時期と期間を分ける方法があります。

金利が上がれば、満期を迎えたお金を高い金利で預け直す。金利が下がれば、すでに預けた長期定期の金利が残る。金利のピークを無理に当てようとしないことも、金利上昇局面の定期預金の使い方といえるでしょう。

※定期預金金利は2026年9月11日時点の三菱UFJ銀行の円預金金利を参照。金利は今後変更される場合があります。利息の試算は単純計算した税引前の概算額で、実際の受取額とは異なります。預金利息には20.315%の税金がかかります。

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