5年、10年の定期預金は1%台に
2026年9月18日、日本銀行(日銀)は政策金利を1%から1.25%へ引き上げました。
私自身、20年超、長く金融市場を見てきましたが、日本では定期預金の金利を見て「今預けるべきか、半年待つべきか」と悩む必要がほとんどない時代が続いてきました。

しかし、昨年あたりから、この考えを変えるタイミングがきています。
例えば、2026年9月11日時点の三菱UFJ銀行のスーパー定期を見ると、1年ものは年0.5%、3年は年0.8%、5年は年1%、10年は年1.25%です。期間を長くするほど、高い金利を確保できます。
一方で、日銀が今後も利上げすれば、半年後や1年後には定期預金の金利がさらに上がっている可能性もあります。「高くなった今の金利を確保するか」「もう少し待つか」。これまでの日本ではあまり考えなかった問題です。
100万円なら、0.5%の違いで5年間に2万5000円の差
具体的な数字で考えてみましょう。
100万円を年1%の5年定期に預けた場合、単純計算した税引前の利息は年間1万円、5年間で5万円です。
ところが、半年後に5年定期の金利が年1.5%まで上がったとします。同じ100万円なら税引前の利息は年間1万5000円、5年間で7万5000円です。差は2万5000円になります。500万円なら12万5000円、1000万円なら25万円の差です。
もちろん、半年後に年1.5%になるというのは試算上の仮定であり、実際にそこまで上がるとは限りません。
反対に金利が低下すれば、年1%の時点で5年間固定しておいた方が有利になります。定期預金では「高い金利の商品を探す」だけでなく、いつその金利を固定するかも考える時代になったわけです。
「金利が上がるまで待つ」にもコストがある
それなら、「日銀が利上げをやめるまで定期預金には入れず、待てばいい」と考える人もいるでしょう。
ただ、待っている間にも利息の差は生まれます。例えば、100万円を年1%の5年定期に入れず、年0.5%の普通預金に半年置いたとします。半年間の普通預金の利息は単純計算で税引前約2500円です。
一方、年1%で運用していれば半年分は約5000円です。その差の約2500円は、「金利がもっと上がるまで待つ」ためのコストとも考えられます。
半年後に5年定期が年1.5%になれば、待ったことで高い金利を利用できます。しかし、1.5%まで上がる保証はありません。1.1%かもしれませんし、1%のままかもしれません。
金利が上がり切るタイミングを正確に当てるのは、金融のプロでも非常に難しいお話です。
500万円なら「100万円ずつ」に分ける方法も
そこで、「全部預ける」「全部待つ」の2択にしない方法があります。例えば、定期預金に回せるお金が500万円あるとします。
500万円全てを5年定期にするのではなく、100万円を5年、100万円を3年、100万円を1年に預け、残り200万円は普通預金に置いておく、といった方法です。
こうして満期をずらしておけば、1年後に金利が上がっていた場合、満期になった100万円を新しい金利で預け直せます。
一方、金利が下がっていたとしても、3年、5年の定期預金では以前の金利を確保しています。
金利の先行きを見極めるのは非常に難しいことですので、「一番高いところで預けよう」と考えるより、時期と期間を分けた方が現実的でしょう。
長期定期にするなら「途中で使わないお金」で
もう1つ注意したいのが、中途解約です。定期預金は満期まで預けることを前提に金利が設定されています。途中で解約すると、通常は当初の定期預金金利ではなく、金融機関が定める期限前解約利率が適用されます。
例えば、5年後に使う予定のお金なら5年定期を検討できますが、来年使う可能性のあるお金まで5年定期に入れる必要はありません。
生活費や急な出費に備えるお金は普通預金、しばらく使わないお金は定期預金、と分けておく方が使いやすいでしょう。
政策金利が1.25%まで上昇したことで、大手銀行の定期預金にも年1%台の金利が見られるようになりました。ただし、現在が金利のピークとは限りません。
だからこそ、「今全て預ける」「もっと上がるまで全部待つ」と決めてしまうのではなく、預ける時期と期間を分ける方法があります。
金利が上がれば、満期を迎えたお金を高い金利で預け直す。金利が下がれば、すでに預けた長期定期の金利が残る。金利のピークを無理に当てようとしないことも、金利上昇局面の定期預金の使い方といえるでしょう。
※定期預金金利は2026年9月11日時点の三菱UFJ銀行の円預金金利を参照。金利は今後変更される場合があります。利息の試算は単純計算した税引前の概算額で、実際の受取額とは異なります。預金利息には20.315%の税金がかかります。







