
「病気になったら病院に行けばいい」そう思っていませんか? その考え方こそが、良い医者を探して病院をさまよう“ドクターショッピング“の入り口です。
現役医師である武井智昭さんの著書、『「寿命格差」という罠~今、必要なのはハズレ医者を見抜くスキル~』(日東書院本社)では現代の日本医療における“医者ガチャ”問題を取り上げています。本書では「ハズレ」を見極め、「アタリ」の医者を引き当てるためのノウハウを分かりやすく解説。
今回は一部を抜粋し、あなたの未来の健康を守り、一生涯の「アタリ」であり続けてくれる理想のかかりつけ医を見つけるタイミングをご紹介します。
かかりつけ医を探すのは健康な時
健康な時には医者の必要性を感じにくいかもしれませんが、健康な時こそ「かかりつけ医」を持つべきです。なぜなら、かかりつけ医はあなたの病歴や体質、生活背景、健康への考え方、さらには家族全体の健康状態までを継続的に把握し、その上でテーラーメイドな対応ができるからです。
日常を知る医者が未来の健康を守る
健康な時から定期的にかかりつけ医を受診し、健康や生活での困りごとなどを相談することで、医者はあなたの日頃の状態や些細な変化に気づきやすくなります。そうすれば、自覚症状のない潜在的な問題を早期に発見し、重症化する前に治療につなげることができます。
また、食事や運動、睡眠など、病気につながる生活習慣を早期に是正するための具体的なアドバイスを、あなたの生活スタイルに合わせて提供できます。
もし複数の医療機関を受診する必要が生じた場合でも、かかりつけ医は一元的に情報を把握し、病状全体を踏まえた適切な判断を下せます。専門的な治療が必要な際も、最適な専門医・高度医療機関へ紹介状を書くため、スムーズに質の高い医療へアクセスできます。
「元気なのに、どんなタイミングでかかりつけ医を探せばいいの?」と思うかもしれませんが、結論から言えば、いつでもいいのです。ただ、「何かきっかけがないと……」という場合には、次のようなタイミングがお勧めです。
かかりつけ医に出会う6つのタイミング
【1】慢性的な不調や不安を感じた時
「なんとなく疲れが取れない」「頭痛や腹痛が続く」「眠れない」「わけもなく不安だ」など、どこに相談していいか分からない症状が出た時。病気のサインかもしれないからです。
【2】話を聴いてほしい時
病名がつかなくても、日々のストレスや健康に関する疑問、漠然とした不安など、「話を聴いてほしい」ニーズに応えてくれる医者は、心の健康を支えるパートナーとなります。
【3】大きな生活の変化があった時
引っ越しや就職・転職・退職など、新しい生活圏に移った時や、職場の提携クリニックが変わるなどのタイミングは、自宅や職場の近くで通いやすいクリニックを見つける機会です。
【4】家族構成やライフステージが変化した時
妊娠・出産で新しい家族が増えたり、入園・入学などで子どもの集団生活が始まったりする前に、小児科も含めたかかりつけ医を定めることで、急な体調不良に備えられます。
【5】地域からの情報や評判を得た時
高齢者の方やそのご家族の場合、地域包括支援センターなどの介護・福祉の窓口から「あそこの先生は親身になってくれる良い医者だ」という具体的な評判や情報を得た時。
【6】健康診断を受けた時
職場の健康診断などで「要精密検査」と診断され、検査のために探すようになる人も多いです。また、がんや脳梗塞など、大きな病院で手術や専門的な治療を受けた後、日常的な薬の管理や体調管理のために自宅近くの医者を紹介されることもあります。
健康な時から「いざという時に頼れる医療パートナーシップ」を築いておくことが、あなたとご家族の健康長寿を実現するための大きな鍵となります。
著者:武井智昭(たけい ともあき)
2002年、慶應義塾大学医学部卒業。さまざまな病院・クリニックで小児科医・内科医としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、訪れる患者は0歳から100歳まで1日に100人以上。「1世紀を診療する医師」として研鑽を積んでいる。NHK『チコちゃんに叱られる!』、フジテレビ『めざましテレビ』、テレビ朝日『林修の今知りたいでしょ!』『ガリベンチャーV』ほか、メディア出演多数。






