Q. 「アイスクリーム頭痛は脳卒中の前触れ」って本当ですか?

Q. 「アイスクリームやかき氷を食べると、いつも頭がキーンと痛みます。家族は冷たいものを食べただけで頭痛がすることはないようで、知人には『強い頭痛は脳卒中の前触れのこともあるから、すぐに病院に行ったほうがいい』と言われました。実際に脳卒中の前触れの可能性はあるのですか? かなり強い痛みが起こるので、とても不安です」
A. 脳卒中とは全く別の頭痛ですが、まれに危険な頭痛が隠れていることも
「アイスクリーム頭痛」は俗称で、正式な病名ではありません。しかしアイスクリームやかき氷、冷たい飲み物を口にした数秒後に起こり、30~60秒でピークになる頭痛は多く報告されています。主に中前頭部に起こることが多いとされていますが、人によっては側頭、前頭、後頭部の片方のみに痛みを感じることもあるようです。
アイスクリーム頭痛が起こる原因としては、2つの説が有力とされています。1つは、冷たいものを食べたことによって体が反射的に血管を広げて血流を増やし、その動きが脳の血管を刺激・炎症させるという「血流説」。もう1つは、口の中の三叉神経(顔面の感覚や咀嚼筋の運動をつかさどる神経)が冷たさを痛みとして感じ取ることで頭痛が引き起こされるという「三叉神経説」です。
何らかの頭痛の症状のために「頭痛外来」を受診した患者さんを対象にした調査によると、受診患者の40%弱にアイスクリーム頭痛の経験があることが分かりました。片頭痛のある人は、ない人よりも3倍アイスクリーム頭痛の経験が多かったとの報告もあります。しかし、片頭痛がなくても起こるため一概に関連があるとも言えません。大人の約15%、中学生では約40%が経験するとの調査もあります。
気になる死亡例ですが、アイスクリーム頭痛そのものによる死亡は報告されていません。そして、前述の通り、血流や三叉神経が関連していると考えられているため、脳卒中などと全く別の仕組みです。アイスクリーム頭痛があると脳卒中になりやすいということはありませんので、ご安心ください。
ただし、急な強い頭痛の原因がクモ膜下出血や脳出血など命に関わる病気というケースは実際にあります。「冷たいものを食べた直後に発生した頭痛」を、全てアイスクリーム頭痛だと片付けるのは危険です。もしも頭痛が数分で治まらない、吐き気や嘔吐、意識障害などの症状を伴うような場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
アイスクリーム頭痛を予防するためには、以下の点に注意するのが効果的です。
- 冷たいものは口の中が急に冷えないよう、ゆっくり時間をかけて食べる
- 特に口蓋(上あごの奥)に冷たいものを直接触れさせないようにする
- 頭痛が起きたら、頭を少し冷やすと痛みが和らぐこともある
アイスクリーム頭痛はごく短時間で治まる頭痛です。特別な治療は必要ありません。正しい知識を持っておくことで、慌てず、必要以上に不安にならずに対処できるでしょう。
さらに詳しく知りたい方は、「アイスクリーム頭痛とは…冷たいもので頭がキーン!なる人・ならない人の違い」をあわせてご覧ください。







