謙信の太刀を、軍扇で受け止める信玄の像・史跡八幡原公園(第四次川中島合戦地)にある |
川中島の戦いに関する大河ドラマは、過去に「天と地と:上杉謙信(海音 寺潮五郎原作)/1969」と「武田信玄(原作・新田次郎)/1998」と二作が あるが、今回は、大河ドラマでは初めてという作家「井上靖史」の原作である。
原作「風林火山」は、主人公が「山本勘助」だから、物語は、甲斐の武田信玄(晴信)に招かれ、軍師として仕え、第四次川中島の合戦で死ぬまでの半生を描き終わる。
右に掲載した写真は、長野市の川中島合戦地「八幡原史跡公園」にある信玄と謙信の一騎打ちの銅像だが、勘助が提案した、妻女山に陣をとった上杉謙信軍をおびき出し、挟み撃ちにする筈の「啄木鳥(キツツキ)」戦法を見破られ、勘助はその責任をとって戦場で討ち死にしているので、物語の結末には登場していない。
井上靖史の原作「風林火山」は、約330ページの文庫本。目次は無いが13章から構成されていて、殆ど信州攻略の過程と、ヒロインの諏訪御両人:諏訪頼重の娘(井上靖史は「由布姫」と命名)へのほのかな恋情を描いた文学的な戦国歴史・ロマン物語である。
ところが、昨年の12月20日に刊行されたドラマの脚本:大盛満寿男「NHK 大河ドラマ・ストーリー 風林火山 前編」を見ると、前編で放映するのは、井上靖史の原作の第1章と当たる大部分と2章(信玄に仕官)で、信玄に依る信州攻略の第一歩は、後半のはじめから展開する構成になっている。
ただ、前編でも信玄(晴信)・勇将の誉れ高い武田氏の宿将「板垣信方」も最初に登場するし、信濃の領主「真田幸隆」で信玄の家臣として仕えることになる出会いもあり、ヒロインの「由布姫」もちらっと登場するようだから、原作と違う面白さが期待出来そうだ。
ここでは、後半に出てくると思われる、「風林火山」に関する信州のゆかりの地を紹介しよう。
- 信州・風林火山 ゆかりの地巡り ・・・・・・・2page
- 風林火山 特別企画展・イベント特選情報 ・・・3page
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・制作:07/01/07