食事処で郷土料理・お庚申様料理を頂く
朝夕の食事は本家で摂る
食事処は本家の板敷きの囲炉裏ばた。 |
夜は、囲炉裏で炭火で串刺しの岩魚を焼いていた |
翌日見学した小赤沢の保存民家も土間と板敷きの囲炉裏のある板敷きの部屋があったから、のよさの里でも往事の暮らしを再現しているという主旨は理解出来た。
夕食時に行ったら、囲炉で炭火を使って、串刺しにした塩焼の岩魚が並んでいた。
夕食のご御膳は
山菜をふんだんに使ったお庚申様料理
食卓に並べられたお庚申様料理 |
お庚申様料理は精進料理だから、普通は生き物は無いのだが、 蛋白質がとれる岩魚の塩焼や 鶏団子のお鍋もあった。
小鉢や皿に盛られた山菜は 冷凍していたのか、 春に摘んだ「行者大蒜(にんにく)」の葉はも青々していたし、 ワラビや 陽に干し手でもんだ「ぜんまいの田舎煮」もあった。
戦前まで陸の孤島だったからか、山の幸「山菜」は驚く程種類が多く、 その保存の仕方も並では無い。
どれもおいしく頂いたのだが、 特に、 天麩羅は「山女とエリンギ・舞茸の茸」は香ばしく、 秋山郷名物という「堅豆腐」のあんかけは旨かった。
徳利で置かれた冷や酒は秋山郷という銘柄。 最初は多少違和感があったが、料理と一緒に飲むと 食欲は進み、 打ち止めに出てきた朝どりのなめこのみそ汁と新米で焚いた山菜の炊き込みご飯は 写真を撮るのも忘れてしまった程、 ペロリと平らげてしまった。
今年の茸は、雨が少なく、一ヶ月も遅いのだそうで、 朝どりのなめこも最近とれたのだそうだ。
夕食のお品書きの一部
秋山名物の堅豆腐 |
山女と茸の天麩羅 |
鶏団子鍋 |
《(おかねさま)信仰》: 庚申(おかねさま)とは、暦で、十干「庚(かのえ)」と十二支の「申(さる)」が組み合わせて60日に一回、年に6~7日巡ってくる日の事を云い、庚申信仰は秋山の人たちは、このおかねさまといい、作神様として祭り、豊作・家内安全や無病息災を祈願してきたという。 庚申も当たり日の講は講仲間の一人の家に集まり、ご本尊の掛け軸を掛け オツトメが行われ、その後で御馳走が振る舞われたという。その料理が庚申料理(精進料理)だった。
昔は、 一年を通じて「陸の孤島」になるような 厳しい生活環境だったから、 神仏や自然に畏敬の念を常に持ちながら、 神仏や自然を身近に感じ、頼りながら共に暮らすのは 秋山郷ならではのものだったが、最近では、 そのような生活があまり重要でなくなり 老齢化、家族数の減少、後継者が近くに住んでいない事も あって、おかねさま講は廃れてきているようだ。 寂しい事だ。(阿部幸子著「秋山郷・津南発。ふるさと紀行」から抜粋)
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「ゆったり!のんびり!出発は10時!のよさの里で過ごした様子」を紹介 >>
●名称:のよさの里 牧之の宿
●住所:〒949-8321 長野県下水内郡栄村大字堺上ノ原18020-49
●電話:0257-67-2345・FAX:025-761-5000
●宿泊:分家7棟(囲炉裏・暖房器具・和室・流し台・電話・冷蔵庫・トイレ)・1分家の定員は6名
●営業:15時/チェックイン・10時/チェックアウト・定休:通年営業
●休憩:本家 10時~14時(500円/人)・分家 11時~18時(6,000円/人);要予約
●夕食・朝食:いずれも牧之の宿本のお食事処を利用(部屋食なし)
●料金(一泊二食/人):9,600円~12,800円
その他、素泊り・朝食のみ・子供料金など、様々なプランあり
●地図:長野県栄村上野里・のよさの里周辺地図
●アクセスガイド:
◆列車・バス:◇JR)中央線松本駅→上高地線新島々駅→上高地行きバス45分
◆車:◇上信越道豊田・飯山IC → R117 → 津南町交差点右折 → R405
◇関越道塩沢石打IC → R353 → R117 → 津南町交差点左折 → R405
《関連サイト》:
・のよさの里の晩餐はお庚申料理
・制作:06/11/07