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サッカー日本代表“最高の景色”、高市首相“高みに引き上げる”……「ふわっと言葉」にモヤる

サッカー日本代表のキャッチフレーズ「最高の景色」や、高市首相がよく口にする「高みに引き上げる」など、なんとなく気になる言葉の数々。「優勝するってはっきり言えばいいのに」「かっこつけている」とモヤモヤしている人たちもいるようだ。※画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

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どうして男女は愛し合うのか、どうして憎み合うのか。出会わなくていい人と出会ってしまい、うまくいきたい人とうまくいかない……。独身同士の恋愛、結婚、婚外恋愛など、日々、取材を重ねつつ男女関係のことを記事や本に書きつづっている。

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「最高の景色」にモヤッとする(画像:PIXTA)
「最高の景色」にモヤッとする(画像:PIXTA)

ビジネスの現場では、数字を挙げる、リソースを明らかにするなど、何でも明快に表現することが大事になる。ふわふわした表現では、やる気さえ見せることができないのだ。とはいえ、現実の生活では、「はっきりしないけど、雰囲気だけで伝わりそうな表現」が通用し過ぎており、ビジネス言葉に慣れた人にとっては、なんだかモヤモヤするという声が聞かれる。

「最高の景色」

今回のサッカーワールドカップ日本代表のキャッチフレーズともなっている「最高の景色」。もともとは2022年に森保監督が「新しい景色を見たい」という言葉を使い始め、それが今回、最高の景色へと変貌してきたという歴史がある。

「別にやゆするつもりはないんです。日本代表が優勝したら素直にうれしい。それなら、『優勝します』『優勝を目指します』と、はっきり言えばいいのにといつも思うんですよ。新しい景色とか最高の景色とか、なんだかふわふわした言葉だなあ、と思う。かっこつけているのかもしれないし、かっこつけてもいいんだけど、明確に優勝という目標をズバッと前面に出したほうがむしろかっこいいじゃないですか」

そう言うのはマサミさん(36歳)。日本代表のファンだが、ああいう表現は「スポーツマンとしてどうよ、と思っちゃう」と笑顔を見せた。彼女が言うように、やゆするわけではないが、「なんだかな」と思っている人は多いのかもしれない。

「高みに引き上げる」

現首相がたびたび口にする「高みに引き上げる」という言葉も、何を指しているのか分かりにくい。前向きではあるのだろうが、目標はどこなのと思うと言う人もいる。

「例えばビジネスの現場で、御社との関係を高みに引き上げたいなんて言ったら、数値目標はとかどういう企画をもってそう言えるのかと総ツッコミにあいそうです。あるいは、それならと相手にとって都合のいい条件を押しつけられるかもしれない。どうしてあんなアバウトなことを言えるのか不思議ですね」

タカシさん(43歳)は少し顔をしかめながらそう言った。確かに最近、政治の場でよく耳にする表現だが、具体的に何を言っているのかは不明なことが多い。

「お気持ち表明にすぎない言葉は、実践の場では使えない。仕事の場でそう言われ続けてきたからかな、ついモヤモヤしてしまうのは」

「最適解」

すっかり日常に根付いた感のある「最適解」という言葉だが、これは「正解」とは異なり、与えられた制約条件のもとで目的(利益の最大化やコストの最小化など)を最もよく満たす解のこと。数学や経済、経営、AIなど幅広い分野で使われてきたが、いつしか一般人の生活にも入り込んできた。

「少し前、ママ友たちと学校行事のことについて話していて、みんな時間がないからなかなかうまくいかないけど、それぞれ個人でできることをしながらアイデアを持ち寄りましょうというところに落ち着いたんです。そうしたら仕切っていたママ友が、『まあ、それが最適解かもね』と。この人、『最適解』が口癖になっていて、『それでいいよね』と言うべきところで全て最適解を使う。もう慣れたけど、最初はママ友たちもその言葉を聞くたびにざわざわしていました」

そう言って苦笑するマリさん(44歳)。聞き慣れない言葉は、そのグループにとってちょっとした波紋を呼び起こすのかもしれない。「なんだか分からないけど感じ悪い」とつぶやいたママ友もいたという。

「ボクっ娘」

最近、自分のことを「ボク」と言う10代女子が増えており、そんな女子たちを「ボクっ娘」と言うそうだ。しかし、さかのぼればもっとずっと昔から、自分を「ワシ」「ボク」と言う女子は存在した。女の子らしくという縛りが強い時代に、そうはしたくないと思う子が使っていた。「わたし」ではなく、「あたい」「あちし」と言う子もいた。

現代では、女であることを拒否しているわけではなく、もっと軽やかに自分を表現したいという思いの表れでもあるようだ。

「うちの娘も、小学生のときは自分のことを『おいら』と言っていました。保護者面談のときに先生に注意されましたが、夫も私も『わたし』を強要するつもりはありませんでした。本人が言いたくなれば言うでしょうし、言いたくなければ『おいら』を通してもいいんじゃないかと思ってた。中学に入ってからは、いつの間にか『あたし』と言うようになりましたね。大学生になった今は、ふざけて『あたい』なんて言ったりしていますが、外では『わたし』で通しているようです」

アオイさん(52歳)はそう言う。彼女がモヤモヤするのは、「あなたの娘さん、どうして自分のことをおいらって言うの?」とか「おかしいんじゃない」とお為ごかしに言ってきた人たちのことだ。

「人の家の子が、自分の呼称に何を使おうが勝手だと思うんですよね。それなのに娘がボクと言っているからというだけで、『あの家庭はおかしい』と言われてしまう。誰か被害者がいるわけでもないことを非難されるのは、腑に落ちないなという気がします」

言葉は時代によって変わっていく。だが、そこでモヤモヤする人たちが出てくるのも確か。ストレスを感じない程度に観察しながら、変遷を見つめていくしかないのだろう。

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