義理の娘・息子が帰省……義母が感じる「おもてなし」のストレス

家族団らん

息子夫婦の帰省に、義母は何かと気を遣うもの。令和流の自由な「おもてなし」を考えてみましょう

年末年始などの大型連休は、離れて暮らす息子夫婦や娘夫婦が集い、一家団らんを楽しめる貴重な機会。久しぶりの再会はうれしいものですが、子どもが結婚すると義理の息子・娘も交えての場になり、遠慮のない「家族水入らず」を純粋に楽しめる雰囲気は少なくなっていくものかもしれません。
 
なかでも、義母の立場になると「息子の嫁」との関係にはとても気を遣うという声は多いもの。「居心地の良い家と思ってくれているかしら」「嫌な姑だと思われないかしら」などといたるところで気を使い、息子夫婦の帰省のたびにストレスを溜めてしまうことが多いようです。
 
それだけでなく令和の時代には、子どもが巣立った後に一回り小さな住まいに住み替え、限られた生活費のなかでささやかな老後を楽しむ夫婦が多くなりました。なのに、こと子どものことになると昭和的な価値観が頭をもたげてしまい、「実家気分を味わってもらわなければ」と奮闘している老夫婦が少なくないように思います。
 

嫁にとっては義理の家……夫の実家で「実家気分を」と言われても無理がある

特に息子が長男や一人っ子で「初めての嫁」との付き合いであったりすると、義母は自分や自分の家庭をできるだけ良いものに見せようと、張り切りたくなってしまうものかもしれません。しかしいくら義母が頑張っても、嫁にとっては「義理の家」であることに変わりはありません。
 
義母の努力がかえって嫁の負担となり、義理の実家を「気の重い場所」だと思わせてしまうという悲劇もあります。義母と嫁とのお付き合いは、何十年にもわたって続くもの。だからこそ、互いがストレスなく付き合うために、令和流の「息子夫婦の帰省」のあり方を考えていく必要があるように思います。

令和時代を象徴するキーワードに「多様性」があります。既成概念にとらわれず、多様な付き合い方、もてなし方法があってもいい。そんな力を抜いた令和流のかかわり方を家庭の中で実践していくといいと思います。では「息子夫婦の帰省」にあたっては、具体的にどんなおもてなしをしていくといいのでしょう? 正解はありませんが、心理カウンセラーの立場として3つ提案したいと思います。
 

1)近距離帰省の場合……家ではアフタヌーンティー、食事は外でおもてなし

息子夫婦が帰省をしてくると、家での食事は義父母が用意しなければなりません。「大歓迎」の気持ちを形で表そうすれば、何日も前からメニューの準備をし、テーブルいっぱいに大皿を並べて手の込んだ料理を味わってもらいたくもなるでしょう。
 
帰省してきた嫁が食事の準備を手伝おうとしても、「気にしないでゆっくり休んでて」などと気の利いたことを言いたくもなりますし、かといって嫁が遠慮なく休んでばかりいると「気の利かない嫁だ」という思いもふと生じてしまうかもしれません。どちらにしても気遣いの連続です。
 
ならば、実家はほんの少し「立ち寄る場」と捉えてもらい、アフタヌーンティー程度のおもてなしをしてみてはいかがでしょう。アルコールはシャンパン程度を用意すると、品のいいお茶会になると思います。お茶会なら多く見ても3時間程度でお開きにできます。
 
その後はおいしい店で夕飯をごちそうして解散すれば、義母・嫁双方にとって、とても気楽で心温まるひとときを過ごせるのではないでしょうか。
 

2)あえて盆暮れ・大型連休を避け、花見や紅葉狩りを楽しむ

混雑を避け、あえて大型連休には帰省をしないという人も多いものです。息子夫婦もやっと取れた連休なのに、義理の付き合いに時間も精力も費やせば、疲労はまったく癒されないかもしれません。
 
それならいっそ、大型連休の帰省は親の方から断り、やめてしまうのも一案です。インターネットさえ利用できれば、オンラインでいくらでも会話ができる時代。年始や盆のあいさつはオンラインで済ませ、移動しやすいさわやかな季節に再会を楽しむのも一案です。
 
たとえば、「花見」や「紅葉狩り」のシーズンの休日に、互いの中間地点の自然公園などでピクニックランチを楽しむと、盛り上がれるのではないでしょうか。家庭の中での会食には双方が気を遣い、料理店の会食には互いがかしこまってしまうものかもしれません。ですが、自然あふれた開放的な場所でお酒や食事を楽しめば、互いの気持ちが軽やかになり、家族団らんの楽しさを感じられるのではないでしょうか。孫がいるなら、さらに楽しい時間になると思います。
 

3)遠方からの帰省の場合……年に1回「ホテル宿泊プレゼント」のおもてなしも

遠方から帰省するなら近くのホテルなどを予約して、外泊してもらうという方法もあります。義理の実家で寝泊まりして気を遣うより、手ごろなビジネスホテルであっても宿泊代をプレゼントされた方が嫁もリフレッシュできるでしょうし、緊張感が解けてぐっすり眠れるかもしれません。昨今は大型風呂付のビジネスホテルなども増えてきましたので、実家の狭い風呂を利用してもらうより喜ばれるのではないでしょうか。
 
義母にとっては布団の上げ下ろし、風呂や朝ごはんの準備の手間が省けることも、大きなメリットのひとつです。客用布団をあらかじめ用意しなくてもいい、という利点もあります。家の隅々まで掃除して迎えなくてもいいため、ずぼらな性格の義母でも安心して帰省に対応できるでしょう。
 
ただし、息子夫婦と孫のホテル代に加え、食事もごちそうするとなれば、連泊では10万前後の出費を考えなければならず、年に1回くらいのおもてなしになるかもしれません。息子夫婦も多額の交通費や手土産代をかけて帰省してくれますし、そのくらいの出費は覚悟しておきましょう。
 

息子の帰省に嫁を巻き込む必要はなし! 義務感のない自由な帰省を提案

以上の3つでご提案したように、令和の時代には、家族も「世間の常識」や「日本の慣習」などにとらわれず、互いのストレスにならない自由な付き合い方を選択すればいいと思います。子どもの帰省も同様です。既成概念にとらわれず、自由なおもてなしを考えていきましょう。
 
そして最後に一つ。息子が帰省して実家で癒しの時間を過ごしたいなら、「自分の都合にお嫁さんを巻き込まないように」と伝えておくのも令和流です。「夫の帰省に付き添うのが嫁のつとめ」と我慢して付き合ってもらうより、夫が帰省している間には、嫁も一人で自分の実家に帰省したり、友だちと旅行に出かけるなどして、自分なりの自由な時間を満喫できる。こんな多様な帰省のあり方を提案してあげると、息子の夫婦円満に貢献できるのではないでしょうか。
 
「自分がのんびり帰省したいなら、お嫁さんの気持ちをよく聞きなさい。無理に付き合わせてはいけないよ」と息子に伝え、夫婦でよく話し合ってもらいましょう。その話し合いのきっかけを作ってあげるのも、令和時代の粋な親ごころなのではないでしょうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。