
物価高によって、日々家計のやりくりに頭を悩ませている人は少なくないでしょう。そこに結婚や出産などライフステージの変化が重なったり、病気になって治療費が発生したりすると、家計への影響はより大きくなります。
All About編集部は全国20~60代の200人を対象に「本気で家計を見直した瞬間」に関するアンケートを実施しました。今回はその中から、夫の突然の入院によって家計がピンチを迎えた北海道に住む37歳女性のエピソードを紹介しながら、入院や減収が重なった時にまず確認したいポイントなどについて、ファイナンシャルプランナーの福一由紀さんが解説します。
回答者プロフィール
年齢:37歳
家族構成:既婚(子なし)
世帯人数:2人
雇用形態:パート・アルバイト
職業:ビジネスホテルの事務
世帯年収:600万円
貯蓄額:300万円
夫が突然入院することに
女性が人生で最もお金の不安を感じたのは35歳の時、きっかけは夫の入院でした。
「私が35歳の時、主人が体調不良で長期入院し、私自身もちょうど仕事を辞めて無職になっていた時は本当に不安でした」
夫の入院は突然決まり、いつ退院できるか分からない状態。そして女性自身も収入がないため「今後家賃が支払えなくなるかもしれない、生活がままならなくなるかもしれないと毎日不安だった」と、当時の心境を振り返ります。
もしあの時引っ越していなかったら今ごろ……
「少しでも早く仕事へ復帰して主人を支えなくてはと思った」と話す女性は、自身の仕事を探しつつ、家計を見直すことにしました。
「いったんマンションから引っ越しをし実家に戻って家賃分を節約。食費や交際費も少なくし、スマホも格安キャリアに乗り換えたりするなど、とにかく無駄を少なくし基本的には主人の入院費など主人に必要なものに充てました」
確かに住居費は基本的な支出の中でも大きな割合を占める固定費の1つです。とはいえ、引っ越しをするとなると、それに伴う費用がかさんだり苦労もあったりしそうですが、当時は賢明な判断だったようです。
「もしもあの時引っ越しをするなどして家計を見直していなかったら、まず家賃を滞納していたかもしれないし、水道光熱費なども払えなかったと思います」
その後、夫の体調も回復し、現在は再び夫婦での暮らしをスタートさせたようです。
この経験を踏まえたうえで、今後はどのような暮らしをしていきたいか聞くと、「無理やストレスなく、月々貯蓄もしつつ旅行や外食など生活を潤しながら働いていきたいです」と教えてくれました。
まず確認したい「公的にもらえるお金」
福一:夫の長期入院とご自身の無職が重なる厳しい状況の中で、住居費という大きな固定費に真っ先に手をつけた判断は素晴らしいです。しっかりと対応されたことで、家計の立て直しにつながりました。さらに、食費、交際費、通信費なども見直されたとのこと。FPとしてご提案したいことに、すでにしっかりと対応されています。
入院や減収が重なったときに、まず確認しておきたいのが公的な給付制度です。会社員であれば、病気やけがで働けない期間に、給与のおよそ3分の2に相当する「傷病手当金」が、健康保険から最長1年6カ月にわたって支給されます。
また、離職した場合は、健康で条件を満たしていれば雇用保険の「失業給付」を利用できます。こうした「公的にもらえるお金」を先に把握しておくと、いざというときにも安心です。
生活防衛資金の目安は、まず「生活費の3~6カ月分」です。まずは毎月一定額を別口座に自動積立する仕組みをつくりましょう。残ったお金を貯蓄しようとしても、あればその分使ってしまうこともあり、なかなか貯まりません。私自身も、仕組み化する前はなかなかお金が貯まりませんでした。仕組み化することで「気付いたら貯まっている」状態を目指しましょう。
【福一由紀プロフィール】
ファイナンシャルプランナー(CFP/1級FP技能士)。大学卒業後システムエンジニアとして勤務。2人の子どもを出産し退職後FP資格を取得。女性のFP仲間とともに会社を設立し、セミナー、執筆、各種メディアへの企画監修、コンサルティングなどを行っている。All About 仕事・給与ガイド。
<調査概要>
本気で家計を見直した瞬間に関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査実施期間:2026年5月27~28日
調査対象:全国20~60代の200人(男性:50人、女性:147人、回答しない:2人、その他:1人)
※回答者のコメントは原文をベースに一部整えています。
※本記事で紹介している人物のプロフィールや数値などは、プライバシー保護のため編集部で一部改変している場合があります。






