住民税が非課税になると、公的な給付金や保険料の減免といった優遇がありますが、日々の移動にかかる「交通費」についても負担が減るケースはあるのでしょうか。
今回は、主に、住民税非課税世帯の方が活用できる交通費の優遇措置について、実例を見てみましょう。

住民税非課税世帯とは?
住民税非課税世帯とは、「世帯全員」の所得が一定以下で、自治体に納める住民税がかからない世帯のことです。
住民税には、所得に応じた「所得割」と一律の「均等割」がありますが、この両方が課税されていない状態を指します。所得割・均等割とも非課税となるのは、以下の場合をいいます。
・生活保護法による生活扶助を受けている方
・障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
・前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方
〈東京23区内の場合〉
・単身者の場合(扶養家族なし)
所得金額が45万円以下。給与収入のみの場合、年収に換算すると110万円以下となります。
・家族を扶養している場合
扶養家族がいる場合の所得基準は、以下の計算式で求められます。
・35万円×(本人+扶養親族等の合計人数)+31万円以下
給与所得者の年収目安に当てはめると、以下のようになります。
・3人世帯(夫婦+子1人):所得136万円以下(年収約205万円以下)
・4人世帯(夫婦+子2人):所得171万円以下(年収約255万円以下)
※基準は自治体(級地)により多少前後するため、詳細は市区町村の窓口やWebサイトでご確認ください。
電車・バス代が安くなる自治体の例
交通費の割引は「住民税が非課税であること」に加え、「年齢」や「世帯の状況」が条件になることが一般的です。
●東京都:シルバーパスの発行費用の優遇
シルバーパスは、東京都に住民登録されている満70歳以上の方が対象です。シルバーパスを取得すると、都内の民営バス、都営交通、八丈町営バス、三宅村営バスに乗車できます。
2025(令和7)年度の住民税が非課税の方、または2024(令和6)年の地方税法上の合計所得金額が135万円以下の方は、年間1000円の発行費用しかかかりません。
通常は年間1万2000円の発行費用がかかります(2026年4月1日以降に新しく1万2000円のシルバーパスをご購入される方は、半額の6000円になります※4月~9月分(半期分)における購入負担額)。
●名古屋市:敬老パスの負担金軽減
名古屋市に居住し、住民登録がされている満65歳以上の方を対象に、市バスや地下鉄などの公共交通機関が1年間に730回まで利用できる乗車券です。
利用には、1年ごとに負担金(所得に応じて1000円、3000円、5000円)を支払います。
【負担金の3つの区分】
・年額1000円:住民税非課税世帯の方、または生活保護および中国残留邦人などに対する支援給付を受給している方
・年額3000円:本人の合計所得金額が基準額以下であって、他の世帯員の合計所得金額が基準額を超える方
・年額5000円:本人の合計所得金額が基準額を超える方
名古屋市の住民税非課税になる基準額は、以下の通りです。
・扶養親族なし:所得45万円
・扶養親族あり:(35万円×扶養親族数)+66万円
・寡婦・寡夫・障害者の方:135万円
●横浜市:敬老特別乗車証(敬老パス)
横浜市内に住んでいる満70歳以上で、希望される方が、所得などに応じた負担金を支払えば交付されます。敬老パスでは、横浜市営バス、民営バス、市営地下鉄、金沢シーサイドラインを無料で利用可能です。また、2025(令和7)年10月からは、一部地域で運行しているワゴン型バスなど(おでかけシャトル)も利用可能になりました(半額程度の運賃が必要)。
住民税非課税世帯であれば、年額の利用者負担は3200円で済みます。所得額に応じた負担金額は画像の通り。

まとめ
電車やバス代の割引制度は、お住まいの地域によって内容が大きく異なります。多くの場合、住民税非課税世帯であることに加え、「満65歳~70歳以上」といった年齢要件や、「ひとり親」「障がいがある方」などの条件に該当することで利用が可能になります。
まずはご自身の自治体の広報紙やWebサイトで、「交通費助成」や「福祉乗車証」といったキーワードで探してみましょう。自分や家族が対象かどうかを確認してみることで、日々の移動を軽くしてくれる身近な仕組みが見つかるかもしれません。







