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「老後2000万円問題」から数年…実際に2000万円以上の資産がある60代は何割いる?

「老後2000万円問題」が話題になってから数年がたちました。物価高の影響もあり、将来に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。今回は60代の単身世帯と二人以上世帯で、実際に「2000万円以上の金融資産を保有している割合」を見てみましょう。※サムネイル画像:amanaimages

舟本 美子

舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金 ガイド

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2019年に、老後2000万円問題が話題になってから数年。物価高が進む今の時代、かつての目安だった「2000万円」は、もはや安心材料ではなく、セカンドライフを支えるための「最低ライン」になりつつあると言えるかもしれません。

実際のところ「他の人は、どれくらい資産を持っているのだろう」と思っても、なかなか人には聞きにくいものです。

そこで今回は、最新の調査データから、2000万円以上の金融資産を持つ世帯の割合を詳しく見ていきます。単身世帯と二人以上世帯、それぞれの「貯蓄のリアル」を確認し、ご自身の備えが十分かどうかを判定する1つの物差しにしてみてください。

60代の単身世帯・二人以上世帯の貯蓄額は?

参考にするのは、金融経済教育推進機構が2025年に行った「家計の金融行動に関する世論調査」です。60代の単身世帯・二人以上世帯の貯蓄額(金融資産を保有していない人を含む)はどうなっているでしょうか。
金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査2025」をもとに筆者作成

金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査2025」をもとに筆者作成

60代の単身世帯の貯蓄額:約2割が2000万円以上を保有

まずは単身世帯から見ていきましょう。

60代・単身世帯で、2000万円以上の金融資産(※)を保有している割合は、合計で21.1%にのぼります。

約2割の世帯で、老後2000万円問題の目安とされる金額をすでにクリアしており、特に「3000万円以上」というまとまった資産を持つ層が15%を超えている点は注目に値します。

ただし、このデータで最も重視すべきは、資産の「二極化」です。

平均値:1364万円
中央値:300万円

平均値は1300万円を超えていますが、一方で、中央値(資産額を順番に並べた際の真ん中の人の額)は、わずか300万円にとどまっています。一部の大きな資産を持つ層が平均値を大きく引き上げていることが分かります。

早くから資産運用や準備を重ねてきた層と、日々の生活で手いっぱいだった層との差が、定年の時期である60代に顕著な数字となって表れているようです。

※ここでいう金融資産は日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分を除いた「運用のため、または将来に備えて蓄えている資産」のことを指します。

60代の二人以上世帯の貯蓄額:約4割が2000万円以上を保有

次に夫婦世帯など二人以上世帯を見てみましょう。

資産状況は、単身世帯に比べて全体的に高い水準にあることが分かります。2000万円以上の金融資産を保有している割合は、合計で39.6%に達しました。

特筆すべきは「3000万円以上」を持っている世帯が、全回答の中で最も多いボリュームゾーン(約27%)になっている点です。単身世帯では「2000万円以上」は約2割でしたが、二人以上世帯では約4割と2倍になっています。

二人以上世帯の貯蓄額を単身世帯と比較すると、その差は歴然です。

平均値:2683万円(単身世帯:1364万円)
中央値:1400万円(単身世帯:300万円)

中央値が1400万円と大きく上回っていることから、単身世帯に比べて「極端に貯蓄が少ない層」の割合が減り、世帯全体として着実に備えを進めてきた様子がうかがえます。

60代の資産額が大きくなるのは退職金の影響も?

単身世帯の約2割、二人以上世帯の約4割が2000万円以上の資産を保有している背景には、長年の積み立てや運用に加え、退職金の受け取りがあります。60代は、この退職金によって資産額が一時的に大きく増えやすい時期でもあります。

ただし、まとまったお金が入ることで気が緩み、計画なく使ってしまうと、その後の生活に不安を残すことも。退職という節目こそ、生活費の見直しなど堅実な工夫を重ねることが、安心したセカンドライフにつながります。
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