香港

春節も「訪日警戒」が続く中国・香港。日本人が旅をしたらどうなる? 驚きの「街のリアル」

昨秋から続く中国・香港の訪日警戒。そんな状況下で気になるのが「日本人が現地を旅して楽しめるのか?」ということ。卒業旅行や春休みを前に、現地の状況はどうなのか? 安近短で行けると人気の旅先「香港」のリアルをお届けします。

村田 和子

村田 和子

旅の準備・お得・便利 ガイド

総合旅行業務取扱管理者

旅行ジャーナリスト。「旅で元気になる」をテーマに活動。親子で47都道府県を踏破し旅育メソッドを提唱。著書に「旅育BOOK(日本実業出版社)」。クルーズコンサルタント、総合旅行業務取扱管理者。大人旅、ひとり旅も得意!

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日本政府観光局(JNTO)が発表した速報によると、2025年中国からの訪日旅行者は過去最高を記録。ただ昨秋からの日中関係悪化の影響で、2025年12月の単月訪日者数は、前年比45%減まで落ち込んでいます。当初は「春節(2月中旬)までには改善するのでは?」という楽観的な見方もありましたが、春節を前に改めて「日本への渡航自粛要請」が出るなど、冷え込みは長期化しそうな気配です。
訪日データ

訪日外客数~日本政府観光局(JNTO)

このような状況下で、卒業旅行や春休み、あるいはゴールデンウイークの旅計画をする時に気になるのが、「こういった日本への渡航自粛を要請している国に、逆に日本人が旅をしても大丈夫なのか? 嫌な思いをしないか?」ということ。

今回は中国政府にならい、当局から日本への渡航自粛が呼び掛けられている香港へ渡航。現地ブランドのエアラインとホテルを利用しました。安近短で行けると人気の香港のリアルをお届けします。
香港

日本人が中国・香港を旅して楽しめる? 

<目次>

「香港人は渡航自粛の気配なし?」日本発の機内は満席だが……

今回利用したエアラインは、香港の「グレーターベイ航空」。日本には2023年に就航し、2026年2月現在、成田・関空・新千歳・仙台(3月14日まで)へ就航する、MCC(ミドル・コスト・キャリア~フルサービスとLCCの中間)です。筆者は関空から香港へ向けて出発しましたが、機内はほぼ満席。日本人は少数で、多くは日本で観光を楽しみ、たくさんのお土産を手にした香港から(あるいは香港経由)の旅行者でした。
グレーターベイ航空

香港のMCC(ミドル・コスト・キャリア)グレーターベイ航空。福岡便も3月9日に定期便が就航予定

グレーターベイ航空の担当者によると「日本への渡航自粛要請後も、香港ではキャンセルなどの目立った動きはありません」とのこと。実際、日本政府観光局(JNTO)の調査でも、香港からの訪日旅行者は、2025年12月の単月で対前年1.9%増と、わずかながら増加しています。以上のことから、香港では「日本への渡航自粛の影響は限定的で、いつもとほぼ変わらない」と言ってよさそうです。

ただし2025年全体でみると、香港は前年比6.2%減と、国別の訪日旅行者の中で唯一減少しています。これは昨夏に流布した日本で大地震が起こるとのうわさが影響しているようで「昨夏のキャンセルは深刻だった(グレーターベイ担当者)」とのこと。

香港ブランドの「グレーターベイ」。コスパよく快適な移動に定評

就航してから間もないこともあり日本ではなじみの薄い香港のグレーターベイ航空ですが、コストを抑えながら快適なフライトを楽しみたい人におすすめです。

例えば3月に、預け入れ荷物20キロまでが無料の「GoGoプラン」を利用した場合、日本(成田)と香港間の往復は1万6700円と破格(ただしサーチャージ・出国税などは別途必要)。菓子とお茶のサービスもあり、機内も座席の足元が広く快適など、LCCとは一線を画しています。
グレーターベイ航空

足元も広くコスパ抜群。香港を基点にアジア各地へ就航しているので乗り継いで楽しむのもいい(グレーターベイ航空) 

グレーターベイ航空

日本発の便では、香港で有名な蝴蝶酥(チョウチョの形のパイ)とオリジナルのお茶がサービスされる(グレーターベイ航空) 

機内食

機内食は有料。種類は豊富ですが機内の在庫には限りがあるので、事前に食べたいものがあれば予約がおすすめ

サービスはフレンドリーで好感度が高く、香港からの旅行者が大多数だった機内も、特に変わった様子はありませんでした。エンターテインメントサービスこそないものの、機材によってはUSB充電があり、音楽を聴いたり動画を見たり思い思いに過ごしている人が多い印象でした。
・グレーターベイ航空
グレーターベイ航空

笑顔がすてきなキャビンアテンダント(グレーターベイ航空) 

「日本人がいない?」香港の街。それでも“反日感情”は皆無だった

現地到着後、ビクトリア・ピーク、九龍寨城公園、スターフェリーなど日本人にもおなじみのスポットを多く訪れましたが、同行者をのぞいて日本人と分かる人(日本語を話す人や団体ツアー)と出会うことはありませんでした。渡航を控えているのは香港人ではなく、むしろ日本人の方なのかもしれません。
香港

にぎわう街中だが、日本語が聞かれることはなかった 

ビクトリアピーク

香港らしい景色が広がるビクトリア・ピーク。急こう配を登るケーブルカーは、夕刻から夜は混雑するので注意 

香港

スターフェリーにも乗船。これぞ香港の眺めが広がる

実際に街を昼・夜と散策したり、食事・買い物、地下鉄にも乗車しましたが、嫌な思いをしたり、危険を感じたりしたことは一度もありませんでした。筆者が日本人と分かっても、現地の人は全く気にする様子もありません。最初は報道の影響で少し身構えていた筆者ですが、いつの間にか不安を忘れ、10年以上ぶりとなる香港を満喫していました。
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飲茶も満喫。飲食は日本より「やや高い」ぐらいの印象  

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無法地帯とも言われた九龍城砦の跡地に1995年に整備された九龍寨城公園。歴史を刻みながら緑豊かで人々の憩いの場になっている。香港でヒットし日本でも公開された映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」の実物セットの展示もあり賑わう

アベニュー

アベニュー・オブ・スターズ。香港映画界のスターたちを讃えるスポットには映画スターや監督の手形を設置 

香港

夜がにぎわう香港。海外なので油断は禁物だが通常通りの備えで問題はなさそう

今回、香港国際空港近くにあり、島々を結ぶアジア一ともいわれるロープウェー「昂坪360(ゴンピン360)」にも乗車。シースルーのゴンドラに乗れば360度絶景が楽しめ、空に浮かんでいるかのような感覚を味わえます。山頂にあるテーマパークや寺院も見ごたえ十分で、市街地とは異なるプライスレスな体験ができるおすすめスポット。香港へ到着時や出発前など訪れてみるのもいいですよ。
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左奥(天壇大仏)付近が終点。乗りごたえ十分

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昂坪360(ゴンピン360)、シースルーのゴンドラにドキドキ 

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昂坪360(ゴンピン360)の終点駅からアクセスできる天壇大仏。多くの観光客でにぎわう 

香港のホテルブランド「ドーセット」。驚きの1泊26時間滞在とは

「ドーセット(Dorsett)」は、香港発のホテルブランドで、日本にも2025年3月に「ドーセット バイ アゴーラ 大阪堺」が開業するなどアジアを中心に展開しています。今回は、旧カイタック空港の跡地に2024年に開業した「ドーセット カイタック(Dorsett Kai Tak Hong Kong)」へ滞在しました。

街の喧騒(けんそう)から離れたウォーターフロントに位置し、最寄り駅は地下鉄の宋王台駅(ソウオウダイ)で、ホテルから徒歩で10分。啓徳駅(カイタック)や大型ショッピングセンター「AIRSIDE」までは無料送迎バスも運行するなど、街中へ出掛けるのにも不便はありません。
ドーセット

2024年に開業したドーセット カイタック(Dorsett Kai Tak Hong Kong) 

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ドーセット カイタックの周りは緑も多くランニングや散歩をする地元の人の姿も。旧空港で使われていた滑走路はクルーズターミナルに再活用され、海の玄関口にもなっている

ホテルに隣接した「カイタック・スポーツパーク」は、スポーツの試合やコンサートが行われるユニークなドーム型の施設で香港の新名所。夜には美しいライトアップも楽しめます。
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ドーセット カイタックが隣接するカイタック・スポーツパークは夜景もきれい。新しいエリアで香港の新しい名所

ホテルのルーフトップにあるスカイバー「JIN BO LAW」からは九龍の街並みが一望でき、昼は観光、夜はゆっくりホテルで過ごす滞在もおすすめです。
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スカイバー「JIN BO LAW」で、オリジナルのカクテルやモクテルで乾杯したい(ドーセット カイタック)

客室はフローリングにカーペットが敷かれたナチュラルで落ち着く雰囲気。広さはスタンダードな部屋でも22平米以上とゆったり。香港はホテル代が高いというイメージがありますが、ドーセット カイタックは5つ星ホテルながら1部屋あたり2万円前後とコストパフォーマンスがよく、円安の中でもリッチな気分が味わえます(※2026年3月宿泊分。実際の価格は宿泊日・予約日・為替レートなどで変動します)。
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スイートはミニキッチン付き。リビングと寝室がセパレートで我が家のように寛げる(ドーセット カイタック)

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客室から競技場が一望(ドーセット カイタック:眺望一例)

驚いたのが、ドーセットの「1泊26時間ステイ」サービス。公式ホームページ経由の予約ではチェックイン時間が選べ、1泊あたり26時間滞在できるというから驚きです。朝一で到着してもそのままホテルに直行でき、夜のフライトなら出発直前まで部屋で過ごせます。

今回宿泊したドーセット カイタックだけでなく、日本のドーセット バイ アゴーラ 大阪堺を含め、全てのドーセットで共通のサービスとのこと。覚えておくとよさそうです。
・ドーセット カイタック 
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お子さま向けのサービスやアメニティも充実。ホテルごとにウエアが異なるオリジナルのベアもプレゼントされる。ドーセット カイタックのベアはスポーツウェアを着用 

 
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 ハッピーバレー競馬場に隣接する「ドーセットワンチャイ」には、ファミリー向けの客室もある 

【検証結果】香港は問題なく楽しめる。週末弾丸旅もOK

旅行動向からみても、実際に現地を旅してみての感想からも、香港は日中関係悪化の影響は感じられません。アクセスも、例えば成田なら4~5時間程度と良好。コンパクトな街なので、週末の休みを利用して出かけても十分に楽しめます。卒業旅行や春休み、ゴールデンウイークなどの旅先として検討してみてはいかが?

※2025年12月渡航時の情報をもとに執筆しています
※最新の観光情報は香港政府観光局のホームページをご覧ください。あわせて「海外安全ホームページ(危険情報・スポット情報・広域情報)」を確認の上、ご自身で精査・判断したうえでお出かけください
香港

日本からアクセス至便な香港。卒業旅行やゴールデンウイークの旅計画にもおすすめ

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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