2026年4月から在職老齢年金の支給停止基準額がアップ(画像:PIXTA)
具体的には、賃金(賞与込みの月収)と老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額の合計が支給停止調整額を超えると、超えた分の2分の1が老齢厚生年金から支給停止されます。
対象となるのは、60歳以上で厚生年金に加入しながら働いている老齢厚生年金の受給者です。
2025年度の支給停止調整額は51万円ですが、厚生年金保険法第46条第3項の規定により、名目賃金の変動に応じて毎年度見直されます。
その結果、2026年度の支給停止調整額は65万円となります。14万円という大幅な引き上げの背景には、近年の物価上昇や賃金上昇、「働ける高齢者の就労を強く後押しする」という政府のメッセージがあると考えられます。
どのくらい働くと年金が減るの?具体例で見てみよう
どのくらい働くと在職老齢年金制度によって、年金が減ってしまうのでしょうか?老齢厚生年金が年額144万円(月額12万円)のA氏が、賞与込み年収600万円(月収50万円)で働いているケースを見てみましょう。
●2025年度の在職老齢年金による調整後の年金支給月額(支給停止調整額:51万円)
(12万円+50万円-51万円)÷2=5万5000円
支給額(月額)……12万円-5万5000円=6万5000円
●2026年度の在職老齢年金による調整後の年金支給月額(支給停止調整額:65万円)
12万円+50万円=62万円<65万円
支給額(月額)……12万円(全額支給)
2026年度からは、同じ働き方でも老齢厚生年金が満額受け取れるようになります。
どんなに高収入でも老齢基礎年金(国民年金)は支給されます
在職老齢年金で誤解されやすい点として、支給停止の対象は「老齢厚生年金(報酬比例部分)」のみであることが挙げられます。老齢基礎年金(国民年金)は、収入に関係なく全額支給されます。老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額で調整されるわけではありません。そのため、「たくさん働くと年金が全て止まる」という心配は不要です。
2026年度からは、厚生年金保険料を掛けながら働く高齢者の多くが、満額の老齢厚生年金を受給できる環境が整うことになります。







