遺族厚生年金の改正、影響を受けるのは誰?(画像:PIXTA)
2028年4月から遺族厚生年金が変わる!子どもがいない人は原則5年の給付だが、増額する
大きな変更は5つあります。子のない場合は男女共通で原則5年の有期給付になり、その分、年金額は増額(有期給付加算)されます。さらに5年経過後も、障害状態や低所得など一定の条件を満たす場合は最長65歳まで継続給付が用意されます。あわせて、妻にだけ付いていた中高齢寡婦加算は段階的に縮小され、将来的には廃止へ。最後に、65歳以降の老齢厚生年金を増やせる「死亡時分割制度」も導入されます。1968年4月2日以後生まれの男性、1989年4月2日以後生まれの女性に影響が!
今回の見直しの影響が出るのは、2028年4月以降に配偶者と死別し、施行時点で男性は60歳未満、女性は40歳未満となる世代が中心です。具体的には、1968年4月2日以後生まれの男性、1989年4月2日以後生まれの女性が目安になります。なお女性は施行直後、原則として「子どもがいない」「2028年度末時点で40歳未満」が対象と整理されています。
影響を受けない人は男性60歳以上(1968年4月1日以前生まれ)、女性40歳以上(1989年4月1日以前生まれ)
一方で、施行時点で男性60歳以上(1968年4月1日以前生まれ)、女性40歳以上(1989年4月1日以前生まれ)の方は基本的に現行どおりです。また、2028年3月以前にすでに遺族厚生年金や中高齢寡婦加算を受給し始めている方、死別時60歳以上で受給権が発生する方も、今回の変更の影響は受けません。子どもがいる場合は原則として、影響は受けません
誤解されやすいのですが、18歳年度末までの子どもを養育している間は、子どもが18歳になるまで現行と同じで、見直しの影響はありません。子が18歳になった後は、さらに5年間は増額された有期給付+継続給付の対象となる整理です。
※ここでいう「子ども」とは、原則18歳年度末まで(または障害等級1・2級の場合は20歳未満)の子を指します。
見直しされた遺族厚生年金に該当しそうな人が注意したい点
見直しされた遺族年金に該当する人は以下のような点に注意しましょう!①子どもがいない場合、遺族厚生年金は原則5年になる
子のない60歳未満の男性が妻と死別した場合、また子のない女性が夫と死別した場合(施行直後は原則40歳未満)、遺族厚生年金は原則5年の有期給付となります。あわせて、有期給付の請求にあった年収850万円未満の収入要件は廃止されます。
②その代わり、5年間の年金額は増える(約1.3倍)
有期給付になる場合、遺族厚生年金は現在より増額され、現行の約1.3倍が目安となります。イメージとしては、死亡した配偶者の老齢厚生年金相当額に近い水準です。
③5年後も条件を満たせば65歳まで継続給付される
5年間の有期給付が終わっても、障害状態が確認できる場合や低所得の場合には、最長65歳まで給付が継続されます。所得基準の目安として、単身で給与年収約122万円(税制改正反映後は132万円見込み)以下なら全額支給、寡婦なら給与年収約204万円程度まで全額支給とされます。また収入が増えるほど年金は段階的に調整され、目安として月収20万~30万円程度を超えると継続給付は全額停止となる方向です。
④中高齢寡婦加算は段階的に縮小→将来廃止へ
40~65歳未満の子どものない妻に加算される中高齢寡婦加算は、制度全体の見直しに合わせて約25年かけて段階的に縮小され、将来的には廃止されます。ただし一度受け取り始めた加算額は65歳まで金額が変わりません。
⑤死亡時分割制度として、65歳以降の老齢厚生年金を増やせる
有期給付の受給権が発生してから5年経過すると死亡分割の請求権が生じ、そこから5年以内に請求すれば、65歳以降の老齢厚生年金が増える仕組みです。再婚していても期限内なら請求できます。
「自立を促しつつ、生活が苦しい間はしっかり支える」セーフティーネットとして機能してほしい
今回の見直しは「5年で一律終了」ではなく、状況に応じて継続給付を設け、生活再建を支える設計になっています。該当しそうな方は、施行時期と自分がどの対象に入るかを早めに確認しておくと安心です。このように、法改正が施行されても「5年で一律に遺族厚生年金が終了する」わけではありません。個々の経済状況や身体状況に応じて、「自立を促しつつ、生活が苦しい間はしっかり支える」セーフティーネットとして機能することを願います。







