スペイン/マドリード・マドリード近郊

マドリッドの宮殿で楽しむ名画たち

美術品の宝庫として名高いマドリッド。今回はプラド美術館、国立ソフィア王妃美術センターと並ぶマドリッド3大美術館の1つティッセン・ボルネミッサ美術館をご案内します。

執筆者:大槻 英樹

マドリッドの美術館というとまずプラド美術館、そしてピカソの「ゲルニカ」が展示されている国立ソフィア王妃芸術センターを思い浮かべる方も多いと思います。今回はこれら2つの美術館とマドリッド3大美術館として肩を並べるティッセン・ボルネミッサ美術館をご案内します。

名画だけでなく建物も楽しめる美術館

ティッセン・ボルネミッサ美術館
歴史的にも価値の高い建物なのです。
ティッセン・ボルネミッサ美術館はプラド美術館とカノバス・デル・カスティージョ広場のすぐ反対側にあります。その建物は新古典様式の代表的なビリャ・エルモサ宮殿がスペインを代表する建築家であるラファエル・モネオによって改築されたもので、天井が高くゆったりした空間で照明などにも工夫が施されています。実際にこの美術館を訪れてみると歴史的にも価値のある建物と現代の技術が融合する中で絵画をゆっくりと鑑賞できるので、贅沢な時間を過ごすことができますね。

建物の1~3階に約800点の作品が展示されています。順路は3階からはじまり、3階には初期イタリア絵画など、2階にはゴッホやモネなど印象主義の巨匠の作品、1階はピカソやミロなど近現代の作品が展示されています。フランドル絵画からドガなどの印象絵画、そして日本にもファンも多いシャガール、ピカソなどの近年の画家の作品まで時代やテーマにそって名画が展示されているので、西洋美術史の流れをわかりやすく見ることができます。

あまり美術館に行くことのない方でもその絵の描かれた背景を通して、その国や歴史を楽しむことができますよ。「この絵は昔、教科書で見たことがある!」なんてこともあるかもしれませんね。

世界第2位のコレクション

Kommen und Gehen
ゴーギャンの作品も展示されています。
これらはイギリスのエリザベス女王に次いで個人として世界で第2位のコレクターとして知られるスイス人美術収集家ティッセン・ボルネミッサ男爵のコレクションをスペイン政府が買い取ったものです。個人でこれだけの作品を集めてしまったというのですから、驚きですね。そして最近は元ミス・スペインであるカルメン・ティッセン・ボルネミッサ夫人のコレクションも加わりました。

世界有数の美術館であなたのお気に入りの作品を見つけてみてくださいね。リュックなどを背中に背負ったまま観賞していると警備員さんに「危ないからお腹に抱えてね」と声をかけられることもあります。名画の数々を鑑賞する際に、夢中になりすぎて自分の荷物にはくれぐれもご注意を。

【基本データ】
ティッセン・ボルネミッサ美術館 Museo Thyssen-Bornemisza
所在地:Paseo del Prado, 8. 28014 MADRID
TEL:91-420-3944
開館時間:火~日曜 10:00~19:00
閉館日:月曜日、1/1、5/1、12/25
入館料:4.80ユーロ
3大美術館共通券※7.66ユーロ
アクセス:地下鉄2号線 Banco de Españaより徒歩8分
URL:Museo Thyssen-Bornemisza
※3大美術館共通券とはプラド美術館、国立ソフィア王妃芸術センター、ティッセン・ボルネミッサ美術館の3つの美術館に入場できる共通券です。

【関連リンク】
スペインゆかりの芸術家
マドリッドの美術館
中部:マドリッドとその周辺
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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