食と健康

市販ケーキのイチゴは危険? 「洗わず使用。残留農薬の影響は?」気になる疑問を解説

【管理栄養士が解説】「ケーキの上のイチゴは、洗われていないから危険」と、不安に思っている方もいるようです。残留農薬の心配、傷みやすさ、味の問題などの面から、分かりやすく解説します。(※画像:Shutterstock.com)

平井 千里

平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養 ガイド

小田原短期大学食物栄養学科 教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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イチゴケーキ
ケーキを彩るイチゴ。「洗っていないから危険」って本当?

市販のショートケーキやクリスマスケーキに乗っているイチゴ。見た目も華やかで、お祝いの雰囲気を盛り上げてくれます。多くの人はあまり気にせず食べていると思いますが、「ケーキのイチゴは洗われていないから危険」「残留農薬が心配だから、子どもには食べさせない」と、不安を感じる人もいるようです。市販のケーキに乗っているイチゴの実際の危険性・安全性と、正しい考え方について、分かりやすく解説します。

「ケーキのイチゴは洗われていない」は本当! その理由とメリット

一般的に、市販のケーキに乗っているイチゴは、お店では洗われていません。これは、

  • イチゴが非常に傷みやすい 
  • 水に触れると、鮮度や見た目が大きく落ちる 
  • ケーキの上で水気が出てしまうと、ケーキ本体まで劣化する恐れがある

といった理由があるためです。ケーキはお祝いの場で使われることも多いため、「安全性はもちろん、見た目も重要」という事情もあります。

イチゴの残留農薬、人体への危険性は? 洗わず食べても大丈夫なのか

まず先に結論からお伝えすると、ケーキに乗っているイチゴは洗わずに食べて大丈夫です。

お店のケーキに使用されるのは、生食向けの一般的な国産イチゴです。国内で流通しているイチゴは全て、国が定めている「残留農薬基準」をクリアしているため、健康上の問題はないと考えてよいでしょう。衛生面についても、洗われていなくても食品衛生上の問題がないように管理された状態で、使われています。

何よりもケーキに使われるイチゴの量はごくわずかですし、残留農薬についてもまったく心配するような量ではありません。

「ケーキのイチゴは洗いたい」という人が本当に注意すべきこと

とはいえ、「少量であっても残留農薬は減らしたい」という人もいるかもしれません。どうしても気になる場合は、イチゴだけを取って水で軽くすすぎ、水気をよく拭いた上で戻せば、心理的にも安心できるでしょう。その場合、洗うタイミングは食べる直前にしてください。イチゴは水分で傷みやすくなりますし、クリームやスポンジ部分に余計な水分が出てしまうと、見た目も悪くなるためです。

実は、ケーキのイチゴで注意すべき点があるとすれば、残留農薬よりも、「傷み」のほうです。そのままの状態が衛生的ですし、早めに食べるようにしましょう。

また、ケーキの場合はクリームの上にイチゴが乗っていますから、微量の農薬を気にし始めてはイチゴが接していたクリームも気になってしまいます。毎日たくさんのケーキを食べることは通常ないでしょうから、「ごくたまに食べる量」と割り切って、そのままおいしく食べるのがよさそうです。

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