によると、65歳以上の人口は3619万人。総人口に占める割合は29.4%と過去最高を更新し、38カ国中で日本は世界一の“高齢化大国”となっています。
長寿が当たり前となった今、老後を支えるのは「お金がどれだけあるか」だけではありません。大切なのは、“お金との付き合い方”。どんな目的で使い、誰と分かち合うかによって、老後の豊かさは大きく変わります。
今回は、孤独な老後を招く人の“あるある習慣”を3つの視点から見ながら、「心を豊かにするお金の使い方」について考えていきましょう。
趣味がない、日々の“目的”がない
定年後、時間にゆとりができる一方で、「今日、何をしよう」と思いながら1日が過ぎてしまう……。そんな日々が続くと、人との関わりが減り、気持ちも閉じこもりがちになります。趣味や関心ごとを持つ人ほど、自然と人とのつながりが増え、心に張りが生まれます。趣味は「支出」と思われがちですが、実は“自分への投資”でもあります。例えば、少しの費用を使って参加する講座や体験は、新しい人脈や喜びを生むきっかけになります。また、趣味を通して作品を販売したり、教える側に回ったりと、“好き”が“お金を生む循環”につながることもあります。
●孤独を避ける暮らしのヒント
・お金をかけずにできる趣味を1つ見つけてみる(散歩・撮影・手芸など)
・地域の講座やオンライン教室など「少額で体験できる学び」に参加する
・ボランティア活動も「お金では買えない価値」を得られる場としておすすめ
人に厳しく、つい否定から入ってしまう
年齢を重ねるほど、長年の経験や価値観が身につきます。それ自体は素晴らしいことですが、つい「昔はこうだった」「それは違う」と言ってしまうと、他の人が話しかけづらくなってしまうこともあるでしょう。人との関係は「心の資産」です。相手を尊重し、感謝を伝えることで、人とのつながりが“見えない財産”となり、老後の安心につながります。
例えば、誰かにちょっとした贈り物をする、ランチをおごるなど、“感謝をお金で表す”ことも1つの方法です。お金は感謝のエネルギー。形にすることで、巡り巡って自分に返ってくることがあります。
●孤独を避ける暮らしのヒント
・否定の代わりに「そうなんですね」と受け止める
・「ありがとう」「助かりました」など感謝の言葉を意識して伝える
・たまには自分から“ちょっとしたごちそう”をプレゼントしてみる
外との関わりを「面倒」と感じてしまう
現役時代は仕事を通して自然に人と関わる機会がありました。しかし、退職後は人との接点が減り、家にこもりがちになる人もいます。「人付き合いの出費はもったいない」と思いがちですが、実は“心の健康維持費”とも言えます。コーヒー代やランチ代など、誰かと時間を共有するためのお金は、孤立を防ぎ、気持ちの安定をもたらします。節約も大切ですが、人間関係を支えるお金まで削ってしまうと、かえって孤独を深めてしまうこともあります。
●孤独を避ける暮らしのヒント
・月1回は「誰かとお茶する日」をつくる
・地域のイベントやボランティアに“会費感覚”で参加してみる
・無料や少額で参加できるオンラインコミュニティーも活用する
最近は、自治体や社会福祉協議会が運営する「コミュニティーカフェ」や「高齢者サロン」も増えています。その場に行き、コーヒーを飲むだけでも、人とのつながりができ、孤立の予防につながります。