改定ポイントは?
改定の内容には、災害時に必要となる当面の資金を確保できるよう「保険金の先行払い制度」が導入されるほか、築40年以上の建物は長期契約ができず1年契約に限定されるなど、契約者にとって影響の大きい項目が含まれています。◆水災時の保険金が「先行払い」可能に
近年増えている豪雨災害などに対応する形で、「床上浸水時の損害保険金の先行払い」が導入されます。保険金は損害額の確定を待ってから支払いが行われるのが一般的ですが、この制度により一部の保険金を早期に受け取ることができ、被災後の生活再建をいち早く始められるようになります。
◆築40年以上の契約は1年限定に
今回の改定で大きな変更点となるのが、築40年以上の建物は保険期間が原則1年に制限される点です。自然災害リスクが今後さらに変動することが予想され、長期的なリスク評価が難しいことを踏まえた措置とされています。
◆保険料と築年数別料率も見直し
保険金の支払いが増加していることを受け、保険料水準も見直されます。あわせて、建物の築年による区分がより細かくされ、リスクを反映しやすくなります。従来の「築25年以上」という大きな区分が細分化され、築年数に応じた料率設定が行われることになりました。
(改定前)
築5年未満/築10年未満/築15年未満/築20年未満/築25年未満/築25年以上
(改定後)
築5年未満/築10年未満/築15年未満/築20年未満/築25年未満/築30年未満/築35年未満/築40年未満/築45年未満/築45年以上
改定内容は補償範囲や建物の所在地、築年数によって異なるため、契約者にとっては条件の確認が一層重要になりそうです。
火災保険は、火事だけでなく水災をはじめとした幅広い災害に備える“住まいの総合保険”です。自然災害リスクが多様化・深刻化する中で、補償内容も複雑化しています。今回の改定は、今後の火災保険の選び方や見直しにも大きな影響を与えそうです。
出典:【火災保険】商品改定について(2025年10月1日以降を保険始期日とする契約)ソニー損害保険株式会社