Q. 生理中は無性に揚げ物が食べたくなります。生理痛が悪化するって本当ですか?

生理中に揚げ物を食べると、痛みが強くなる人もいるようですが、実は理由がありました。
A. 明確な報告はないものの可能性はあり。気になる場合、魚やナッツがおすすめ
生理中はホルモンバランスの変化により、体調や気分にさまざまな変化が現れます。食欲が増す人や、特定の食品を無性に食べたくなる人もいます。質問者の方は「揚げ物」とのことですが、食べたくなるものに関しては、個人差が大きいです。
「油が多い食べ物や、揚げ物が生理痛を悪化させる」と明確に示した論文は見当たりませんが、油脂の摂取量や摂取方法によっては、生理痛が悪化する可能性があると考えられています。
まず、生理痛を起こす要因の1つに、「プロスタグランジン」というホルモンに似た成分があります。プロスタグランジンは、ケガなどの際に痛みの信号を脳に送る働きを持ち、量が多くなると痛みを強く感じやすくなる成分です。子宮を収縮させる作用もあるため、生理痛の一因と考えられています。プロスタグランジンは体内でアラキドン酸(脂肪酸の一種)から作られるため、油脂の摂取量や摂取方法によって、生理痛が悪化する可能性はあるでしょう。
一方で、「オメガ3脂肪酸」や「ビタミンE」の摂取が生理痛を軽減したという研究は、いくつも報告されています。
オメガ3は魚に多く含まれる脂肪酸、ビタミンEはナッツや緑黄色野菜に豊富なビタミンです。もし生理痛がつらいなら、揚げ物ではなく、魚やナッツ、緑黄色野菜などを意識的に取り入れてみるのもよいかもしれません。
■参考文献
【1】Sadeghi N, Paknezhad F, Nooshabadi MR, Kavianpour M, Jafari Rad S, Haghighian HK. Vitamin E and fish oil, separately or in combination, on treatment of primary dysmenorrhea: a double-blind, randomized clinical trial. Gynecol Endocrinol. 2018 Sep;34(9):804-808. doi: 10.1080/09513590.2018.1450377. Epub 2018 Mar 15.
【2】Harel Z, Biro FM, Kottenhahn RK, Rosenthal SL. Supplementation with omega-3 polyunsaturated fatty acids in the management of dysmenorrhea in adolescents. Am J Obstet Gynecol. 1996 Apr;174(4):1335-1338. doi: 10.1016/s0002-9378(96)70681-6.