食と健康

Q. 真夏の炊飯器、「保温を消すと逆に危険」って本当ですか?

【管理栄養士が解説】真夏は細菌が繁殖しやすい季節。ご飯を室温に置くのは危険です。炊飯器の保温機能の正しい使い方と、安全かつおいしくご飯を食べるためのポイントを解説します。

平井 千里

平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養 ガイド

小田原短期大学食物栄養学科 教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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Q. 真夏の炊飯器、「保温を消すと逆に危険」って本当ですか?

真夏の炊飯器、保温機能はどうすればいい?

真夏の炊飯器、保温機能はどうすればいい?


Q. 「蒸し暑い季節は食中毒が心配なので、ご飯を炊いた後はご飯が温めっぱなしにならないよう、炊飯器の保温をすぐに切るようにしています。最近、『逆に食中毒リスクが上がる』と聞いたのですが、本当でしょうか? 安全な保存方法が知りたいです」
 

A. 真夏の室温放置は逆に危険です! 保温機能を上手に使いましょう

真夏に炊いたご飯を「室温」の状態で置いておくのは非常に危険です。細菌は温かいほど繁殖するのではありません。30~38℃の室温で最も繁殖しやすいのです。炊飯器の保温機能では、ご飯の温度を60~70℃に保つことができ、室温よりも雑菌の増殖を抑えることができます。室内に置くよりも、炊飯器で保温しておいた方が安全性は高いのです。

しかし、高温であっても長時間の保温はおすすめできません。時間が経つとご飯の水分が失われ、パサつきや変色、匂いの原因となる「メイラード反応」が起こることがあるためです。多くの炊飯器メーカーも、「保温は5~6時間程度まで」を目安として推奨しています。夕食の残りを翌朝食べる場合など、長時間の保温が予想される場合は、保温を続けるのではなく、冷凍保存に切り替える方が安心です。

さらに詳しく知りたい方は、「Q. 『暑い夏は炊飯器で保温したままの方がご飯が傷みにくい』って本当ですか?」をあわせてご覧ください。
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