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「地域包括支援センター」とは?介護や暮らしの不安を相談できる頼れる窓口

「介護が必要になったらどうすればいいの?」「親の将来が心配だけど、相談先が分からない」そんな不安を抱えるシニア世代やその家族にとって、身近で頼れる存在が「地域包括支援センター」です。介護のことはもちろん、健康や生活に関するちょっとした悩みまで、幅広く対応してくれる心強い存在です。この記事では、地域包括支援センターの役割や利用方法について、初めての方にも分かりやすく解説します。※サムネイル画像出典:amanaimages

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

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「介護が必要になったら、どうすればいいの?」「親の将来が心配だけど、どこに相談すればいいのか分からない」

そんな不安を抱えるシニア世代やその家族にとって、身近で頼れる相談窓口が「地域包括支援センター」です。介護のことはもちろん、健康や生活に関するちょっとした悩みまで、幅広く対応してくれる心強い存在です。

この記事では、地域包括支援センターの役割や利用方法について、初めての方にも分かりやすく解説します。
地域包括支援センターってどんなところ?役割と利用法とは(画像出典:amanaimages)

地域包括支援センターってどんなところ?役割と利用法とは(画像出典:amanaimages)

地域包括支援センターとは?高齢者を支える身近な相談窓口

地域包括支援センターは、高齢者やそのご家族が抱える介護・医療・福祉・健康など、暮らしの「あらゆる悩みを相談できる公的な窓口」です。身近で頼れる存在として、地域に根差したサポートを行っています。

2024年4月時点で、全国に約5400カ所(支所を含めると約7300カ所)設置されており、誰でも無料で相談できます。

※ただし、相談の結果として紹介された介護サービスなどを実際に利用する場合は、別途費用が発生することがあります。
出所:厚生労働省「地域包括支援センターについて」

出所:厚生労働省「地域包括支援センターについて」

地域包括支援センターが担う4つの大切な役割

地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、以下の4つの業務を担っています。それぞれの役割について、詳しく見ていきましょう。

●地域包括支援センターの業務内容1:困り事の相談サポート
地域包括支援センターでは、高齢者やその家族からのさまざまな相談に、幅広く対応しています。健康や介護、暮らしのことなど、どこに相談すればいいか分からない内容は、まずはここに相談しましょう。

例えば「最近、転びやすくなった」「介護保険ってどうやって使うの?」「1人暮らしの親が心配」など、日常のちょっとした不安でも気軽に相談できます。状況に応じて、利用できる制度やサービスを紹介し、必要な支援先へとつないでくれます。

●地域包括支援センターの業務内容2:自立した生活を支える介護予防・支援
地域包括支援センターでは、要支援と認定された人や、将来介護が必要になる可能性がある高齢者に対して、なるべく自立した生活を続けられるよう、それぞれの状態に合わせた介護支援しています。

例えば、すでに「要支援」と認定された人には、その人に合った「介護予防ケアプラン」を作成。歩行の様子や日常生活の動き、外出の頻度、周囲との関わり方、健康状態などを丁寧に確認しながら、必要な支援やサービスを提案します。

また、「最近外に出るのがおっくうになった」「物忘れが増えてきたかも」といった不安のある人にも、運動や栄養改善、口腔ケア、認知機能の低下予防など、介護を遠ざけるためのサポートを行っています。自分のペースで参加できるサービスを紹介してくれます。

●地域包括支援センターの業務内容3:高齢者の権利を守るサポート
地域包括支援センターでは、高齢者が安心して自分らしく暮らしていけるように、「権利を守る」ための支援も行っています。

例えば、振り込め詐欺や悪質な訪問販売などの消費者被害の相談を受けたり、虐待の早期発見・対応を行ったりと、高齢者が不利益を被らないようにサポートします。

また、判断力が低下してお金の管理が難しくなった高齢者のために、成年後見制度の利用についても案内してくれます。

●地域包括支援センターの業務内容4:地域全体で高齢者を支えるネットワークづくり
地域包括支援センターでは、高齢者が安心して暮らせる地域をつくるために、医療・介護・福祉などの専門職や地域住民と連携し、支援のネットワークを整えています。

具体的には、地域のケアマネジャーへの助言やサポート、支援が難しいケースへの対応方法の相談、地域ケア会議の開催などを通じて、専門職同士の情報共有や支援の質の向上を図っています。

また、地域の医療機関や民生委員、行政などと連携して、高齢者一人ひとりに合ったサポート体制を整える役割も担っています。

地域包括支援センターの利用方法

地域包括支援センターは、高齢者やそのご家族が困ったときに気軽に相談できる“地域のよろず相談所”のような存在です。介護や健康、暮らしの不安があれば、まずは相談してみましょう。

【相談できる人は?】
・対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、その家族や親族
・高齢者を支える介護職などの関係者

地域包括支援センターは、65歳以上の方であれば、要介護認定を受けていなくても利用できます。家族が相談する場合は、高齢者本人の住んでいる地域のセンターを利用する必要があります。

【利用の流れ(4ステップ)】
以下の手順で、相談から支援まで進みます。

(1)自分の住んでいる地域のセンターを調べる(市区町村の窓口やホームページで確認)
(2)電話する、または直接センターに出向き相談する
(3)担当職員との面談(センター来所または自宅訪問)
(4)相談内容に応じたサービスや支援機関の紹介

センターによっては混み合っていることもあるので、事前に電話で相談予約をするとスムーズです。電話の時点で簡単な聞き取りを行い、内容に応じた専門職(看護師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなど)が対応してくれます。

「こんなこと、相談していいのかな?」と迷ってしまうような内容でも、まずは気軽に連絡してみることが第一歩です。

困ったときに頼れる存在として、地域包括支援センターを活用しましょう。

参照:厚生労働省「地域包括ケアシステム」
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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