対策方法は?
シアタールームの壁面に、隙間無く吸音材を取り付ければ、「Slap
Echoes」(残響音)を抑えることが出来るかもしれませんが、これでは、響の無い部屋(デッド)となってしまい、シアターには適していません。
正しい対策方法としては、「Slap
Echoes」の悪影響を確認し、必要な分だけ、吸音や拡散を組み合わせて施す事です。
●「Slap
Echoes」の確認方法 - 手を叩くだけ!
手を叩くだけで、「Slap
Echoes」の悪影響が確認出来ます。 例えば、コンクリート打ちっ放しの建物の中で手を叩いたときの、「ビィーン」といった音の響きを想像してください。 あなたのシアタールームでも、程度の差はあれ、「ビィーン」といった音が聞こえれば、対策が必要です。
マンションや鉄筋コンクリートの住宅は、要注意です。 逆に、木造住宅や和室では、それほど問題とはならないでしょう。
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部屋のいろいろな場所で手を叩き、「Slap
Echoes」の確認をします。
可能であれば、リスニングポイントに着席し、他の人に、いろいろな場所で手を叩いてもらうのが理想的です。
●対策方法 (ビィーンと聞こえたら・・・)
拡散
本棚や家具などが、「拡散」の役割を果たしてくれます。(勿論、専用の拡散素材を使っても構いません。)
片側に本棚を置けば、その向かい側の壁面は、本棚の真正面からズラして家具を置くなど、工夫次第では、少ない家具で効率よく「Slap
Echoes」を低減する事も可能です。 (壁面全てを覆う必要は有りません)
吸収
床面と天井間の場合、床面がコンクリートや大理石、フローリングといった固い材質であれば、カーペットを敷きましょう。
壁面間では、カーテンなどの布地を吊します。 (勿論、専用の吸音材を使っても構いません。)
尚、吸音のし過ぎは「デッド」になってしまいますので、「拡散」の補助として、「Slap
Echoes」が治まる程度に施しましょう。
これで、「音響」におけるグレードアップ術は完了です。 次シリーズでは、映像(ライティング)のグレードアップ講座を予定しておりますので、お楽しみに!
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