Q. 食後のお茶で薬を飲むのはダメでしょうか?

薬をお茶で飲むのは避けるべき? その理由とは
Q. 「よく、食後のお茶で薬を飲んでいます。『緑茶はカフェインが入っているからよくない』と家族に注意されたのですが、どのようなお茶がおすすめですか? カフェインを含まない麦茶やハーブティーで飲んだ方がいいのでしょうか?」
A. 実は、お茶の種類は関係ありません。薬は基本的に「水」で飲みましょう
「ノンカフェインなら水と同じ」と誤解されがちですが、飲み薬の用法用量は、水、もしくは白湯で飲んだ場合に最適な効果が得られるように決められています。お茶の種類は関係ありません。水以外の飲み物では想定外のことが起こる可能性がありますので、できるだけ水で飲むことが大切です。ただし、手元に水がない場合には、薬を飲まない方がいいというわけでもありません。「絶対に水以外で飲んではいけない」と考えて、薬を飲まないのは、さらに悪い選択です。筆者は薬剤師の一人として、「どうしても水がないときにはお茶でも構いません。なるべく決められた時間に飲むようにしてください」とアドバイスします。しかし、これはあくまで緊急時の対応です。積極的に「お茶で飲んでよい」という意味ではありませんので、ご注意ください。
たしかに、ほとんどの薬は、少量であればお茶で飲んでも問題ないことが多いです。しかし、一部の薬は大量のお茶と飲み合わせると、好ましくない結果が出ることが実際にあります。
お茶に含まれる成分で特に問題になるのは、「カフェイン」と「タンニン」です。カフェインは、それ自体が薬としての効果をもつ成分ですので、大量のお茶と一緒に飲むと、「指示されていない薬を自己判断で飲み合わせている」状態に相当します。タンニンは、薬の吸収を妨げてしまうことがあり、本来の薬の効果が発揮されないこともあります。緑茶や紅茶、ウーロン茶は、同じ茶葉から作られるので、同じものと考えてください。
麦茶やハーブティー、ギムネマ茶などは、茶葉由来ではないお茶ですが、これらにも水にはない成分が入っています。「ミネラルや健康にいい成分が含まれています」といった表記もよく目にすると思いますが、それはつまり、水とは異質なものということです。カフェインなどを含むお茶と同じく、別の薬を知らずに飲み合わせているようなものだと考えてください。薬を飲むときは水が基本で、「どのようなお茶なら大丈夫か?」と考えること自体が、実は大きな誤りなのです。
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