定年・退職のお金

夫婦で迎える老後、何歳まで想定すべき?安心のために備えることは

夫婦で迎える老後。「何歳まで」想定すればよいか、気になっている方も多いかもしれません。今回は、最新の平均寿命データを踏まえながら、夫婦で迎える老後に必要な備え、そして万が一、どちらかが先立った場合のリスクへの向き合い方について解説します。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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夫婦で迎える老後。人生100年時代と言われる今、老後の生活を「何歳まで」想定すればよいか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

長寿化が進む中、安心して暮らすためには、2人分の資産計画をきちんと考えておくことが大切です。

今回は、最新の平均寿命データを踏まえながら、夫婦で迎える老後に必要な備え、そして万が一、どちらかが先立った場合のリスクへの向き合い方について解説します。
夫婦で迎える老後、何歳まで想定すべき?安心のために備えることとは?

夫婦で迎える老後、何歳まで想定すべき? 安心のために備えることとは?

最新の平均寿命は何歳?夫婦で「何歳まで」想定するべき?

厚生労働省の「簡易生命表(令和5年)」によると、日本人の平均寿命は、男性で81.09歳、女性で87.14歳となっています。しかし、これはあくまで「平均」。

実際には、90歳、100歳まで生きる方も珍しくありません。

夫婦で老後を見据えるなら、少なくとも「90歳」くらいまで生活資金を想定しておくと安心です。万一、思った以上に長生きした場合でも、慌てずにすむように、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

夫婦の公的年金の収入の変化を想定しながら「長生きリスク」に備えるには?

夫婦2人で迎える老後。まず意識したいのは、「2人分の生活費」と「収入の変化」です。

総務省の「65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)」によると、65歳以上の無職の夫婦のみ世帯では、毎月の消費支出は約26万円。これに対して、公的年金などの平均収入は約23万円となっており、毎月およそ3万円の赤字が生じる計算です。

仮に65歳から90歳までの25年間この赤字が続くとすると、「3万円×12カ月×25年=900万円」もの生活費不足が生じることになります。

これに加えて、医療費や介護費用など、加齢に伴って増える支出も考慮しなければなりません。
出典:家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要

出典:家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要

ここで意識しておきたいのが、「長生きリスク」という考え方です。

長生きリスクとは、「予想以上に長く生きた場合、老後資金が足りなくなるリスク」のこと。

老後は現役時代のように収入を増やすのが難しいため、寿命が延びるほど、生活資金が不足する可能性が高まります。

また、夫婦のどちらかが先立つと、生活費は多少減少するものの、収入面では大きな変化が起きます。

例えば、夫婦それぞれが年金を受給していた場合、片方が亡くなれば、その分の年金収入はなくなります。遺族年金が支給されるケースもありますが、夫婦で受け取っていた年金額と比べると減額幅は大きく、生活に影響が出ることも。

2人で暮らしているときの支出だけでなく、「1人になった後の生活費」や「年金収入の減少」も想定しておくことが、老後資金を枯渇させないための重要なポイントになります。

夫婦世帯の老後資金、備えのポイント

夫婦で迎える老後は、支え合える心強さがある半面、それぞれが自立した意識を持つことも大切です。老後資金の備えには、次のポイントを意識しておきましょう。

●生活費をコンパクトにする
年金をベースに、2人の住居費や生活費を見直し、支出を無理なくスリム化しておくことが重要です。特に、家賃や通信費、保険料などの固定費の見直しは、早めに取り組んでおくと安心です。

●医療費・介護費に備える
どちらか一方に介護が必要になった場合、想定以上の費用がかかることもあります。高額療養費制度など公的支援制度を理解し、無理のない範囲で民間の医療保険・介護保険も検討しましょう。「夫婦のもしも」に備える意識が大切です。

●健康管理と人とのつながりを意識する
夫婦だけの生活に閉じこもらず、地域活動や趣味を通じて外の世界とも関わりを持ちましょう。健康寿命を延ばすだけでなく、万一どちらかが先に亡くなったときにも、心の支えになる「人とのつながり」を築いておくことが重要です。

●働く選択肢も持っておく
収入面だけでなく、生きがいや社会との接点を持つためにも、無理のない範囲で仕事を続ける選択肢を持っておくと、生活にメリハリが生まれます。

●「2人の人生プラン」を話し合っておく
老後に「どんな暮らしがしたいか」「何にお金を使いたいか」を2人で話し合っておきましょう。片方に万が一のことがあった場合に備え、資産の管理方法や介護・医療に関する希望も共有しておくと、より安心です。

まとめ

老後を夫婦で安心して過ごすためには、長生きリスクを見据えた資金準備と、心の支えとなる人とのつながりが欠かせません。公的年金を土台に貯蓄や支出を見直し、将来について話し合っておくことが大切です。経済的な安定と心の豊かさ、どちらも意識して、2人らしいセカンドライフを築いていきましょう。
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