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世界的な食料難で生き残れる日本人は何人?(4ページ目)

自給率39%の日本。世界的な食料危機が来たら、どのくらいの食料を確保できる?いったい何人の日本人が生き残れるのでしょう?自給率100%なら問題解決?う?ん…。1億人の胃袋を満たす最善策を考えてみましょう。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

国内生産だけで可能なのは8000万人

小麦畑
北海道富良野の小麦畑。小麦の自給率は14.1%、大豆に至ってはわずか5%にすぎません。
仮に、輸入がストップして、国内産の食べ物だけで、食料をまかなわなければならない。そんな事態になったら…。いったい何人分の食料が確保できるのでしょうか。

ガイド記事「20XX年、日本人の食は1日2食になる?」で、海外からの輸入がストップしたことを想定すると、カロリーベースにして現在の3分の2の食料しか供給できないことを紹介しました。これは農林水産省の「食料安全保障」で発表された数字が元になっています。減反している水田や休耕田を耕し、ありとあらゆる方法で食料を生産して、現在の3分の2だろうという試算です。これを人口に置き換えると、約1億2000万人の3分の2なので、8000万人といったところでしょうか。

でも、これは石油が今まで同じように手に入ることが前提で想定されている数字。石油の確保が難しくなると、8000万人分の食料を作り出すのは厳しいでしょう。

食べ物は石油でできている

マルチ
保温や防虫のために敷くマルチ。紙製もありますが、多くはビニール製です。
「なぜ食料と石油が関係あるの?」

そう思うかもしれませんね。それは、現代の農業が石油がないと成り立たないためです。農薬も化学肥料も、石油で作られています。ビニールハウスなどの農業資材にも石油が必要です。耕耘機やトラクターなどの機械も収穫物を運ぶ車もガソリンがないと動きません。漁業にしても畜産業にしても同様に石油がないと、今と同じ生産量を維持することは難しいでしょう。

食べ物は石油でできているといっても過言ではないのです。

現代の農業では、収穫量の2.6倍のエネルギーが必要だといわれます。1キロカロリー分の米を作るためには2.6キロカロリー分の石油が必要になるという計算です。もし、石油の輸入が困難になれば、これらの価格もあがり、現在と同じ生産量を維持するのは難しいといわざるを得ませんよね。

では、石油不足になったらどうなる?
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