「年金だけで老後を暮らしていけるのか……?」最近の物価高の影響もあり不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
実際、「年金が月10万円未満……」と耳にしますが、実際に該当者はどれくらいいるのでしょうか。
。今回は、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、年金受給額が少ない人の実態とこれからできる対策についてご紹介します。

厚生年金の受給者のうち、「月10万円未満」の人はどれくらい?
日本の公的年金制度は、大きく分けて「国民年金」と「厚生年金」の2つに分かれます。
国民年金(老齢基礎年金)は原則として20歳から60歳までの全ての人が加入する基礎的な年金制度。加入するのは、自営業や主婦など。2026(令和8)年度の老齢基礎年金の満額は年額84万7300円(月額7万608円)です。
一方、厚生年金は会社員や公務員などが加入する制度で、老齢基礎年金に「老齢厚生年金」が上乗せされる仕組みです。そのため、自営業者など国民年金だけに加入していた人に比べて、受け取れる年金額は多くなります。
ただし、厚生年金の受給額は一律ではなく、現役時代の収入や加入していた期間によって人それぞれ大きく異なります。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、会社員などを対象とする厚生年金保険(第1号)の受給権者の平均年金月額は「15万289円(基礎年金を含む)」ですが、実は「月10万円未満」の受給者も少なくありません。
厚生年金保険(第1号)受給者約1609万人のうち、月額10万円未満の人は約305万人。全体の「約19%」、つまり約5人に1人が、月10万円未満というのが実態です。
受給額が10万円未満の人の割合は、男女間で大きな差
厚生年金保険(第1号)を受給している方のうち、毎月の受給額が10万円に満たない人の割合を見ると、男女間で大きな差があることが浮き彫りになります。
厚生労働省の資料によると、その内訳は以下の通りです。
【男性】
・受給者数:1067万9944人
・うち10万円未満の人:98万9950人(9.3%)
【女性】
・受給者数:540万5752人
・うち10万円未満の人:206万4024人(38.2%)
この結果から、男性で月10万円を下回る人は約1割にとどまるのに対し、女性は約4割もの人が月10万円未満という現実が見えてきます。
女性の場合、結婚や出産といった大きな転機を機に退職したり、専業主婦や扶養の範囲内でのパートタイム勤務に切り替えたりするケースが多く見られます。このような働き方の変化によって、厚生年金の加入期間が短くなったり、あるいは加入しない期間が生じたりすることで、将来受け取れる年金額が少なくなる傾向があります。
年金が10万円未満……だからこそ「今できる備え」を
女性の約2人に1人が90歳まで生きるといわれる今、「貯金が尽きたらどうしよう……」という長生きリスクは無視できません。そんな中、公的年金は一生もらえる「終身年金」という強みがあります。だからこそ、少しでも年金額を増やしておくことが将来の安心につながります。
老後の年金を増やすには、「厚生年金に加入する」ことが大きなカギ。例えば、扶養内のパートからフルタイム勤務へ変える、正社員として働くなど、社会保険を自分で納める働き方に変えると将来の年金額がアップします。さらに、厚生年金は70歳まで加入できるため、定年後も働き続ければ、年金額がさらに増えます。将来の安心のために、年金を少しでも増やせる働き方を考えましょう。







