定年・退職のお金

60代世帯が頼りにする「生活資金源」にはどんなものがある?

老後の暮らしにおいて、最大の関心事の1つが「生活資金をどうまかなうか」。今回は、金融経済教育推進機構が行った「家計の金融行動に関する世論調査2024年」から、60代の「老後の生活資金源」に関するリアルなデータを確認してみましょう。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

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60代世帯が頼りにする「生活資金源」にはどんなものがある?

老後の暮らしにおいて、最大の関心事の1つが「生活資金をどうまかなうか」。

特に定年退職を迎え、公的年金に頼る生活が現実になってくる60代にとっては切実な問題です。実際にシニア世代の人々は、どのような収入源に頼っているのでしょうか? 今回は、金融経済教育推進機構が行った「家計の金融行動に関する世論調査2024年」から、60代の「老後の生活資金源」に関するリアルなデータをご紹介します。
60代世帯が頼りにする「生活資金源」にはどんなものがある?

60代世帯が頼りにする「生活資金源」にはどんなものがある?

60代単身者が公的年金に次いで頼りにするのは……

まずは、60代の単身者の、「老後における生活資金源」の回答を見てみましょう。(複数回答)

・1位:公的年金 83.2%
・2位:就業による収入 35.4%
・3位:金融資産の取り崩し 34.3%
・4位:企業年金、個人年金、保険金 28.7%
・5位:利子配当所得 11.4%


60代単身者の老後生活の資金源は1位「公的年金」で83.2%でした。やはり多くの人が最も頼りにするのは国からの年金という納得の結果です。

続いて2位は「就業による収入」が35.4%。定年後の再雇用や定年延長などが進み、60代でそのまま会社勤めを続ける人もいれば、他の業種に転職する人、フリーランスで働く人など、自分自身に合った働き方で勤労収入を得ている60代の姿がうかがえます。

また、3位の「金融資産の取り崩し」は34.3%で、就業収入とほぼ同じくらいの人が貯蓄を使って生活していることが分かります。これは、長年コツコツと貯めてきたお金を、年金とあわせて少しずつ使いながら生活しているということでしょう。

4位の「企業年金・個人年金・保険金」は28.7%。頼りにしている人が3割近くいます。これは、会社員時代に積み立てていた企業年金や、自分で加入した個人年金保険などが老後の収入源になっている例です。

さらに、5位の「利子配当所得」が11.4%。これは、預貯金の利息や株式投資の配当などです。利用している人はまだ少数派ですが、資産運用によって収入を得ている人もいることが分かります。

60代二人以上世帯が公的年金に次いで頼りにするのは……

続いて、60代の二人以上世帯における「老後における生活資金源」の回答を見てみましょう。(複数回答)

・1位:公的年金 79.8%
・2位:就業による収入 41.6%
・3位:企業年金、個人年金、保険金 37.5%
・4位:金融資産の取り崩し 31.2%
・5位:利子配当所得 12.2%


二人以上世帯の60代が老後の生活資金として最も頼りにしているのは、やはり「公的年金」の79.8%。単身世帯の83.2%と比べるとやや低めではあるものの、やはり多くの世帯で年金が生活の柱となっていることがわかります。

注目したいのは、2位に「就業による収入」の41.6%。単身世帯より6.2ポイント高くなっており、世帯を支えるために夫婦どちらか、または両方が働き続けているケースも少なくないことがうかがえます。

また、3位には「企業年金・個人年金・保険金」が37.5%と、こちらも単身世帯より高い傾向に。これは、夫婦のどちらかが企業年金などの制度に加入していた可能性があり、二人以上世帯ではこうした備えが活用されやすいことがうかがえます。

一方で「金融資産の取り崩し」は31.2%で、単身世帯の34.3%よりやや低め。夫婦で生活費を分担できるため、貯蓄への依存度が単身世帯より少し抑えられているのかもしれません。

このように、同じ60代でも、単身世帯と二人以上世帯では収入源に多少の違いが見られます。家族構成によって、老後の資金計画は変わってくることがわかります。

資産を長持ちさせ、できるだけ取り崩しを先送りしよう

60代の生活資金は、やはり公的年金が中心。でも、年金だけでは心もとないと感じる方も多いでしょう。なるべく手元の貯蓄を減らさずに、ゆっくり使っていく工夫が大切です。例えば、自分のペースでできる仕事を続けたり、投資信託や株などからの配当・利子を少しずつ取り入れたりするのは、資産を減らさずに収入を増やすには有効です。

最近は物価も上がっているため、資産が現金だけだと、気付かないうちに価値が目減りすることも……。無理のない範囲で資産運用を取り入れることで、安心感が得られるかもしれません。

「貯めたお金をなるべく減らさずに使っていきたい」という気持ちを叶えるために、自分に合った方法を探しましょう。
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