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疲れた心に農が効く!農的暮らしのすすめ

食を、そして、農を大事にする暮らし方が注目されています。農的暮らし、農のある暮らしともいわれ、生活に農を取り入れる人がジワジワと増えています。そもそも、農的暮らしってどんな暮らしでしょうか?

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

農的暮らしってなに?

農的暮らしは、農に触れ、大事に思う暮らし方。©EyesArt, Inc農的暮らしにこれといった定義はありません。農を大事にした食を選んだり、ベランダ菜園に挑戦したり、はたまた市民農園を借りて自分の食べるものをつくったりなど、日々の生活の中で農業を意識する、大切に思う、そして可能な範囲で土に触れてみる。そんな暮らし方ではないかとガイドは思います。

日本の農業は、あと10年くらいで絶滅しちゃうのでは~?と、いわれるくらい「これでもか!」ってくらいの厳しい現実に囲まれています。たとえば、高齢化だったり、農地が使われなくなる耕作放棄地であったり、安価な輸入農産物の増加であったり。前回記事で「食料自給率(カロリーベース)は40%」と紹介しましたが、8月10日に発表された2006年の自給率は39%と、ついに40%を切ってしまいました。これは、米が大凶作だった1993年度の37%以来、13年ぶりの30%台! Oh! My God!

逆風だけど、元気な農の現場

それは本当に逆風ばかりなのですが、それとは裏腹に現場に足を運んでみると、最近、農業はなかなか元気だったりします。ガイドも取材で産直へ行ったり、農家に話を聞いたりする機会があるのですが、皆さんとても楽しそうに誇りを持って仕事をしていらっしゃって、いつも元気をもらって帰ってきます。

そして、その元気な農業の場に、興味や関心を持ち、集まってくる普通の人たちも増えています。農業に無縁どころか、普段、土に触る機会もほとんどない!というような人たちが多いんです。

以前は、そんな人が農に関わろうとしたら、ベランダもしくは家庭菜園か、市民農園を借りるくらいしか選択肢がありませんでした。もちろん、市民農園を借りて、食料を自分で作るのは理想的な農的暮らし。でも、「そこまでは無理」という人も少なくありませんよね。

最近は「そこまでは無理だけれど、ほんの少しだけでも、土に触りたい。農に関わりたい」というニーズ(?)にあった農的暮らしを取り入れる選択肢も増えてきました。今回は、そのいくつかを紹介しましょう。年間数日のほんの少しから、毎週通ってしまうどっぷりまで、いろいろな農的暮らし方があるんですよ

都会の農業塾、農業体験農園

稲
畑
ガイドがお借りしている畑。1人じゃ絶対に無理ですが、同じグループの皆さんのおかげでなんとか参加できています
まずは、実はガイドも密かに始めている農業体験農園のご紹介。学校の遠足などで芋掘りに行ったりするのも体験農園ですが、それとはちょっと違って、30平方メートル前後の畑を農家の方から借り、指導を受けながら野菜作りを行う方法です。市民農園は、借りた畑で、それぞれが自由に栽培をすることが原則ですが、こちらは農家の方の指導を受けながら種まきから収穫までをトータルに体験する市民のための農業塾のようなもの。練馬区や横浜市などで活発に行われています。年間の入園料を支払うことで、種や肥料、農機具などをすべて農園主が用意してくれ、ていねいに教えていただきながら、作物を作るので、文字通り、からだ1つで参加でき、失敗がありません。

ガイドはPRAC自由学校というNPOを通じて、練馬区の体験農園に参加しています。電車とバスを乗り継いだ先は、同じ東京にいるとは思えないようなすがすがしい風が吹き抜ける畑。その風を感じながら農作業に汗した後に、育てたトマトやキュウリをその場でかじる瞬間は、まさに至福です。農業を守るなんていうのはおこがましい気持ちはさらさらなく、畑で遊ばせていただいているという感じでぼちぼち通っています。

次ページは、週末だけから年間数日でも可能な農的暮らしのご紹介
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