自由研究のテーマ探しにNPO・NGOのサイトを
身近な自然を自由研究のテーマに選び、環境を深く考えてみてはいかが?
環境問題は、21世紀を生きる子どもの必須知識。持続可能なサステナブルな社会を築くために何をどう考え、行動していくのか。そのための基本知識が大切な時代です。
とはいえ「”環境”と言われても、大きすぎてどこから手をつけていいかわからない!」という声もあるでしょう。そんなときは、環境をテーマに活動するNGOやNPOのサイトを見てみてください。複雑な環境問題をワンテーマに絞って掘り下げており、自由研究の課題探しにピッタリです!
そんななかから今回は、身近な「日本の自然」を入口に、社会との関わりを含めて複合的に調べながら「環境の今」を知り、深く考えるきっかけとなる情報を紹介します。
テーマ1. 身近な自然を調べよう!
2007年の自然しらべは「セミのぬけがらをさがせ」がテーマでした©伊藤信男/NACS-J |
「自然しらべ」は「みんなで、みれば、みえてくる」をテーマに、子どもから大人まで一人ひとりが身近な自然を調べ、その結果を持ち寄ることで、日本の自然の“今”を把握するという、いわば自然の「定期健康診断」です。1995年から毎年テーマを設定し、全国からさまざまな調査結果を集約し、分析しています。
2017年のテーマは「ウナギ」。
ウナギは「土用の丑の日」に蒲焼きを食べることが、l風物詩になっているほどの身近な魚です。しかしその一方でニホンウナギは絶滅を危惧されるほど数を減らしています。なぜ減少してしまったのか、主な生息場所である川や干潟を調べ、その原因を探っていくことがテーマです。
難しそうに感じますが、「自然しらべ」のサイトから参加マニュアルをダウンロードでき、川や干潟で、自然観察をし、生き物を探し、写真を撮影し、まとめるまでの手順が解説されています。調査票もついているので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
神秘の魚、「ウナギ」は、調べ学習におすすめ
川や海に行く機会がないのであれば、「ウナギ」をテーマに、「調べ学習」をするのもおすすめです。ウナギは、万葉集にもうたわれるほど日本人にとって身近な魚ですが、その生態は長い間、謎に包まれており、「神秘の魚」ともいわれてきました。最近になってようやくグアム島近くのマリアナ諸島近辺の海で産卵することがわかった、というほどです。そうした生育過程はもちろん、歴史的な背景や日本人とのかかわり、絶滅が心配されるほど減少している理由などを調べてまとめると、環境だけではなく、歴史や食文化も網羅した自由研究になるでしょう。
日本自然保護協会(NACS-J)のサイトには、2002年以降の「自然しらべ」の内容とその結果がまとめられています。どれも足で集めた貴重な記録です。それらをヒントに自分なりの自由研究をしてみるのもおすすめです。高度な知識を必要とするものではなく、小学校高学年のお子さんであれば一人で取り組めるくらいの難易度のテーマが集められています。低学年のお子さんなら、おうちの方が少し手を貸して進めるといいでしょう。
日本自然保護協会(NACS-J)のサイトには、絶滅危惧種の情報や自然保護を通して地域を元気にする取り組みなどなど、さまざまな情報も網羅されています。自由研究にはもちろん、サステナブルな社会を作っていくためのヒントも得られますので、ぜひ参考にしてみてください。