レンタルお姉さんを知っていますか? ちょっと意味深な響きがありますが、引きこもりやニートと呼ばれる青年たちと社会をつなぐための訪問活動をするNPOのスタッフの呼び名です。
さてさてどんな活動をしているお姉さんなのでしょうか。その活動から何が見えてくるのでしょうか。ドラマでも話題のレンタルお姉さんにガイドもお会いしてきました。そのインタビューを2回に渡ってお届けします。
ニートや引きこもりを社会とつなぐレンタルお姉さん
|
毎週水曜日、ニュースタートの事務局では「鍋の会」が開かれます。スタッフや寮にいる若者たちが鍋をつつきながら、わいわいと語らう場です。 |
レンタルお姉さんとは、引きこもりやニートと呼ばれる若者たちが、社会と関わりを持てるように支援するNPO法人ニュースタートの有給スタッフです。20代~30代の女性や男性たちが主に活動しています。そのスタッフが女性ならレンタルお姉さん、男性ならレンタルお兄さんと呼ばれています。
ニュースタートは、不登校や引きこもりなどの若者を社会とつなぐ活動を行っています。事務局には、家を出た青年たちが住むための若者寮や、仕事が体験できる仕事体験塾、喫茶店、パソコンを使ったIT事業部などが併設されています。また「がんばらない あきらめない」をテーマに四国お遍路を60日ほどかけて歩く、スローウォーク四国88なども開催し、文字通り、若者の再出発、ニュースタートを応援するネットワークづくりを主な活動としている団体です。
スローコミュニケーションから始めるレンタルお姉さん、お兄さんの訪問活動もそういった活動のひとつ。家族からの依頼を受け、手紙、電話のやりとりを経て、訪問をし、当事者と社会の橋渡しをしていきます。
と、書くと簡単そうですが、何年も他者と関わる経験のない人に訪問することそのものが、大変な作業です。ましてや、引きこもる当事者からすれば、未知の訪問者。もちろん、自分が招いたわけでもありません。
引きこもってしまう人には、他者の目を過剰に気にしたり、他人へのこだわりが強い傾向があるといいます。人目や他人からの見られ方を気にするあまりに、人とうまく関係が築けず、人づきあいや外に出ることが面倒になり、家の中にだんだんこもっていってしまうのです。長くなればなるほど外へ出ることが大変なことになってしまい、よけいに出られなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
そういった状態の人へ訪問していく活動なのですから、まず歓迎されることは皆無です。拒否されながらもゆっくりと相手が動くのを待ち、外の世界へつないでいきます。
瞬時に誰かとつながるようなメールや携帯電話が全盛の時代には、一見、もどかしいと思えるほどのスローなコミュニケーション。レンタルお姉さんの仕事はそこから始まります。
では、レンタルお姉さんってどんな人なのでしょうか。インタビューは次ページへ!