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世界が尊敬する日本人、山田耕平さん登場(2ページ目)

アフリカのマラウイで青年海外協力隊の一員として活動しながら、エイズを訴える歌を作り、CDデビューした山田耕平さん。NEWS WEEK誌「世界が尊敬する日本人100人」にも選出された27歳の登場です。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

「愛」がHIV/AIDSを止める。という願いを込めて

ディマクコンダ
CDの売上金の一部は、マラウイでのVCT機関の設立に役立てられます。VCT機関はエイズ検査とカウンセリング機能を併せ持った機関です。
「ディマクコンダ」は、マラウイの公用語、チェワ語で「愛してる」の意味です。「愛がHIV感染と、エイズを止める」という願いを込めて作ったといいます。それはこんな内容です。

「本当の恋をしたことのない若者が、ある女性を本気で愛した。彼女も彼を愛した。幸せだった2人は、互いのためにエイズ検査に行った。ところが、残念なことに、彼はHIVポジティブ(感染者)だった。大きなショックを受けた若者は、『もっといい男を見つけなよ』と別れを決意する。でも、彼女は静かにこう言った。『なにを言ってるの?私たちはずっと一緒よ』と」

「愛している」「愛している」が何度も登場するラブソングは、日本語だったらちょっと照れちゃうかもと思うほどストレートな内容。でもストレートに歌われる愛の中に、若いカップルの悲しみ、そしてマラウイのHIV感染の深刻さを人々に伝えたいという思いが詰まっています。

甚平スタイルで歌う日本人歌手誕生

駒場祭ライブ2
ライブの途中にやや照れながら歌詞を日本語で朗読。
山田さんは、この歌をひっさげ、ちょんまげに甚平という強烈なスタイルでマラウイの音楽シーンに鮮烈デビュー。マラウイの音楽チャートで3ヵ月連続1位を記録するほどの大ヒットとなり、現地のレコード大賞候補にも選ばれました。

「Kohei Yamada」の名は、マラウイの人たちに一気に知れ渡り、2006年3月に、協力隊員の任期を終えて帰国する際には現地のメディアで「Kohei leaving for home Sunday(耕平が日曜日に帰国する)」と大きなニュースとして取り上げられたほどです。

「歌の反響なのか、最近、都市部ではエイズ検査へ行く人の数が徐々に増えてきてはいます。ただ地方はまだまだ。電気もないような地域もありますから、情報がなかなか届きませんし、検査施設もそのもの圧倒的に不足しています」

世界が尊敬する日本人にも選出

ニューズウィーク表紙
技と勇気であっと言わせた知られざるヒーローとして選出されています。
帰国後もライブや講演活動を続け、8月30日にはエピックレコードジャパンからメジャーデビューも果たしました。“青年海外協力隊員がマラウイで大ヒットさせたエイズ啓発ソング”ということが話題を呼び、今年の秋は学園祭や12月1日のエイズデイにむけたイベントなどにひっぱりだこです。11月28日のレッドリボンライブでは、アンジェラアキ、絢香、一青窈といったビッグネームとも共演し、大喝采を浴びました。

その活躍は海外メディアからも高い評価を受け、「ニューズウィーク誌 2006年10月18日号」では、世界が尊敬する日本人100人の1人としても選ばれています。

次ページでは山田さんの現在の活動や今後をうかがっています。
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