節約と聞くと、まず食費やレジャー費を削ることを思い浮かべ、「我慢しなきゃ……」と感じるかもしれません。ですが、実はもっと簡単に、しかも一度の見直しで長く効果が続く節約方法があります。それが「固定費の見直し」です。今回は、すぐに実践できる固定費の見直し方法をご紹介します。
なぜ固定費の見直しが有効なのか?
固定費とは、家賃や光熱費、通信費、保険料など、毎月決まって支払う費用のことです。これらは一度見直すだけで節約効果が長く続くため、無理なく支出を減らすことができます。●固定費の見直しの第一歩は「現状把握」
まずは、自分がどのような固定費を支払っているのかを確認しましょう。通帳やクレジットカードの明細を見直し、無駄な出費がないかチェックします。
その中で、以下のような、ほとんど利用していないサービスがあれば解約を検討しましょう。
・しばらく行っていないジムの会費
・読んでいない雑誌や新聞の定期購読料
・視聴していない動画配信サービス
・使い続けていないサプリメントの定期購入
・どんなサービスか忘れてしまったサブスクリプション契約
これらの中には、毎月数百円~数千円ぐらいのわずかな支払いがあるかもしれません。しかし、1年間で考えると大きな金額になります。解約するだけで手軽に節約できます。面倒がらずに、不要な固定費を見直しましょう。次に、代表的な固定費の見直し方法をご紹介します。
電気・ガス代を節約する
電気代やガス代は、日々の生活に欠かせない支出です。契約の見直し、買い替えするだけで節約が可能です。●電力会社・ガス会社の見直し
「電気・ガスの自由化」により、消費者が契約する会社を自由に選べるようになりました。今の契約プランよりお得なプランがないか比較サイトでチェックしてみましょう。
例えば、「エネチェンジ」などの比較サイトを使うと、自分の家庭に合った最適な電力・ガスプランを簡単に探せます。
また、電気とガス、スマホとセット割など、他のサービスとセット契約すると割引が適用されるプランもあります。自分の生活スタイルに合った会社を選びましょう。
●省エネ家電の活用
買い替えには初期費用がかかりますが、長い目で見ると電気代の節約につながります。特に、10年以上前のエアコンや冷蔵庫は、最新の省エネモデルよりも電気代が2倍以上になることも。
「この家電、古いな」「そろそろ買い替えの時期?」と思ったら、エアコン・冷蔵庫・照明など、電力消費が大きい家電を見直してみましょう。省エネ家電に買い替えることで、電気代を抑えながら快適に過ごせます。
スマホ・インターネット料金を節約する
スマホやインターネットの料金は、契約を見直すだけで毎月数千円の節約が可能です。●スマホの料金プランの見直し
スマホの料金は、契約プランを見直すだけで簡単に節約できることがあります。毎月の支払いを減らすために、以下のポイントをチェックしてみましょう。
・通話定額プランは本当に必要?
通話定額プランを契約している方の中には、実際にはLINEやアプリの無料通話を使っていて、ほとんど通話料金がかかっていない場合もあります。あまり電話を使わないのであれば、通話定額プランを見直し、より安いプランに変更するのも1つの方法です。
・データ容量は適正か?
自宅にWi-Fi環境がある場合、スマホのデータ通信量をあまり使っていない可能性があります。契約しているデータプランが実際の使用量に合っているかを確認し、必要以上に大容量のプランを契約していないか見直してみましょう。データ使用量が少ない場合は、プランを下げることで料金を抑えられます。
・不要なオプションやサービスはないか?
契約時に付けたオプションや、有料のサブスクリプションサービスなどが、そのままになっていることはありませんか?毎月の明細を確認し、使っていないオプションやサービスがあれば、速やかに解約しましょう。
●自宅のインターネット回線の見直し
1人暮らしやインターネットをあまり使わない家庭なら、固定回線を解約し、スマホのテザリングで代用するのも1つの方法です。
※テザリングとは、スマホをWi-Fiルーターのように使い、パソコンやタブレットなどをインターネットに接続できる機能のことです。
また、インターネットの利用が必要であれば、スマホとセット契約することで割引が適用されます。
スマホやインターネットは、電気代と同じく欠かせない費用です。自宅のインターネット環境をスマホとセットで見直すことで、無駄な出費を抑え、少しでも安く抑えられるよう工夫してみましょう。
生命保険料を節約する
生命保険は、契約を見直すことで大幅な節約が可能です。保険に加入したときの特約や保障が、今の自分に本当に必要かどうか見直してみましょう。例えば、子どもが独立した後も大きな死亡保障を続けている、更新のたびに保険料が上がる契約をしている、複数の保険で保障内容が重複している、といったケースはありませんか?
日本には高額療養費制度や公的年金など、万が一の際に役立つ公的な保障制度があります。これらを理解したうえで、本当に必要な保障を選ぶことが大切です。
車の維持費を節約する
車を所有すると、ガソリン代・駐車場代・自動車保険など、さまざまな固定費がかかります。見直しをすることで、無理なく節約できるポイントがあるのでチェックしてみましょう。●自動車保険の見直し
自動車保険は、契約内容を見直すことで保険料を節約できる可能性があります。例えば、家族が運転しないのに「家族運転特約」を付けたままになっている場合は、不要な特約を削るだけで保険料が安くなります。また、ネット割、あるいは早めに申し込む早割などさまざまな割引も活用しましょう。
●駐車場代の見直し
自宅や職場の近くで契約している駐車場の料金を見直すのも、節約につながります。少し歩く距離を増やすだけで、より安い駐車場が見つかることもあります。また、普段あまり車を使わない場合は、思い切ってカーシェアを活用するのも1つの方法です。車を所有するよりも維持費がかからず、必要なときだけ使えるので、節約と利便性を両立できます。
固定費を見直せば、年間10万円以上の節約が可能に
固定費の見直しは、一度見直せばその後も効果が続くため、最初のひと手間をかけるだけで大きな節約につながります。例えば、電気代・通信費・保険料をそれぞれ毎月2000円ずつ削減できれば、1カ月で6000円、1年間で7万2000円の節約に。さらに、不要なサブスクや使っていないサービスを解約すれば、年間10万円以上の固定費削減も十分可能です。「一気に見直すのは大変」という方も、できるところから少しずつ始めてみましょう。